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写真2:IWAシンポジウムの講演発表合には,この点での評価方法を統一しておく必要がある(rf.参考文献17)。3.6. 考慮するべきポイント人間社会も,本来あるべき,水本来のメカニズムや,自然の有する固有のメカニズムに力点を置いた,将来ビジョンを持つべきと考えるものである。今後はさらに,このソーラーコミュニティー論の中における,水の浄化システムを含めた試算を,他の研究機関の協力やアドバイスをいただきながら,その概念を発展させた形で構築したい。4.1. 日本の様相日本の国造りの様相を見ると,高度に発達した技術の集積回路のごとき現状が見られる。自然災害が恒常的に誘発され得る地理的条件下にある我が国においては,その防災・減災対策において,国家百年の計の観点から,より良き道を考えざるを得ない状況下にある。4.2. 現代の様相について現代社会が構成されている様相について,以下に述べる。-23-4.2.1. 現代社会の様相と展望構成された技術社会の様相を,四原因分析的に見てみる。その特徴は,技術としての作用因に色濃く特徴付けられていて,そこに材料としての質料因が付加されて,一足飛びに最終の目的因へと,急ぎ走っていくかのようである。そこに,人間社会が本来具備するべき,形相因としての安全性が,本来,最初に来るはずのものとして残る。そもそも人間社会においては,安全性が損なわれることによって,効率的に急がれた社会構築は,すべて,危険にさらされる憂き目を見ることと成り得る。昨今の自然災害関連の事故の様相を見ても,一つの社会現象として,この点を痛感する。4.2.2. 日本の減災対策への取り組み一昨年の九州地区や広島地区における集中豪雨と土砂崩壊,そして,昨年の広島地区と愛媛地区における集中豪雨と土砂崩壊とによって,多くの犠牲者が出た。西日本地区を覆う地層は,マグマの時代からの花こう岩質と真砂土とで覆われている。これらは鹿沼土と並んで園芸にも使われるほどに水捌けも良い反面,土砂崩壊を起こしやすい地盤であるとの問題点がある。2011年に発生した東日本大震災とその後の津波災害,そして,その翌年から開催された日本学術会議の全体会議における報告から,水関連の多くの示唆に富む教訓的内容を,以下に述べる。4.日本の国造りと減災対策

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