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288,000t/年≧18,441.49t/年もしも必要な生活用水を,ソーラーコミュニティーの敷地に降る降雨量からのみ調達する場合には,不充分であるという結果になる。充分なる水の量は,河川や地下水や水道事業者より供給されることが期待される。通常,我々が使っている水は,想像以上に広範な範囲から集水された水を利用しているのである。今後,人口の都市集中化が促進されるとすると,そこに必要とされるサービスは,電力と水である。水に関しては,上水と下水の双方において,上水は飲み水としての品質が問われ,下水は自然の生態系を壊さないまでに浄化された下水の品質が問われることとなる。しかも,この両者は,都市生活空間からは遠く離れた広範囲からの水を受ける形であり,下水についても,遠い旅路の果てに自然の生態系が,その水質を受け入れるべく待っている形となるのである。これらのことに鑑みるならば,地球環境のサステナビリティーの考え方からすると,もっと浄化された形で,水の再利用が計画され,推進され必要性が有ると考えられる。3.4.4. コミュニティーの植栽への散水量次に,植栽への散水という観点について検討する。散水に必要とされる水量は,夏期において,8L/㎡・日(芝生)で,11L/㎡・日(樹木)となっている。(前述の値は,エンジニアリング協会による(rf.参考文献15))。この数値を換算してから,ソーラーコミュニティー論に当てはめて,計算してみると,8L/㎡・日(芝生)→ 80,000L/10,000㎡・日→ 80㎥/ha・日11L/㎡・日(樹木)→ 110,000L/10,000㎡・日→ 110㎥/ha・日この換算値から,敷地の全体における散水量を計算すると,80㎥/ha・日×77.35ha=6,188㎥/日(芝生)110㎥/ha・日×77.35ha=8,508.5㎥/日(樹木)これらの平均値を計算すると,(6,188㎥/日+8,508.5㎥/日)÷2=7,348.25㎥/日この夏期における,散水量の平均値を,先に計算-22-したソーラーコミュニティー内の敷地に降る年間降雨量との間の比較検討をする。983,814.65㎥/年÷7,348.25㎥/日≒133日分もちろん,夏期以外の植栽への散水量は,夏期に比べて少なくなると思われる。この点を考慮に入れても,水の再利用の検討は,なされるべき課題の一つである。降雨量の1271.9㎜は,気象庁のHPデーターより入手した(rf.参考文献16)。3.5. 水活動の現状・対策・展望本来は,自然の保有する自然のメカニズムの包容力の範囲内で,我々人類のメカニズムの自然への接し方を,コントロールできるようにならなければ,その人類のメカニズムに永続性はないのである。その概念性について検討を加えると,以下の3.5.1. に説明する数式となる。3.5.1. 生活空間のメカニズムの考え方自然エネルギー利用のソーラーコミュニティー論においては,エリアの中央部と周辺部に,植栽を配している。これにより,概念的には,以下の関係式が成り立つ。Y = a X + b U          式②Y:生活環境総合メカニズム,X:生活環境人工メカニズム,U:生活環境制御メカニズム,a:Xの可変指数,b:Uの可変指数,と考える。都市空間における自然要素は,Uに含まれる。これらが互いにバランスされていることが大切。そして,このYは,そのエリア内の自然のメカニズムを逸脱しないという前提条件が守られる必要がある。Y ∈ Nm            式③Y:生活環境総合メカニズム,Nm:自然環境メカニズム,と考える。グローバルな観点で考えると,このY:生活環境総合メカニズムの値は,そこの生活圏の活動の程度によって異なる。Nm:自然環境メカニズムの値も,現地の植生によって異なってくる。グローバルな観点で,地球環境の保全を考える場

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