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この木に固定されている炭素量は,式①に代入して,0.14㎥×314kg/㎥×1.23×(1+0.25)×0.5≒33.8kgとなる。この炭素量を,二酸化炭素の重さに換算すると,33.8×44/12(≒3.67)=123.9kgとなる。スギ人工林の場合,齢級3(11年生から15年生)で,材積58㎥/haで,炭素量18t/haとなる。ヒノキ人工林も同様に,齢級3(11年生から15年生)で,材積45㎥/haで,炭素量18t/haとなる。これをソーラーコミュニティー論の敷地面積と利用率とスギ・ヒノキ半々で換算した場合の炭素量は,利用率80%の場合:44.44ha×0.8×18t/ha≒639.9t(CO2重さ換算で,639.9×44/12≒2,346.3t-CO2)(rf.参考文献11)。トータルバランスCO2:2,346.3t-CO2(内側中央の緑樹帯のCO2削減量)+1,737.89t-CO2(外側周辺部の緑樹帯のCO2削減量)=4084.19t-CO2(トータルCO2削減量)∴4084.19t-CO2(トータルCO2削減量)≧3,690.432t-CO2/solar community(エネルギー消費量in ONE SOLAR COMMUNITY 家庭用(化石燃料+電力按分分))3.4. 検討項目ソーラーコミュニティー論における,生活の中の水の働きについて検討を加えた。3.4.1. コミュニティーの水の必要量必要とされる水使用量を換算すると,1カ月の世帯平均の水の使用量は,4人家族で24.3㎥,5人家族で28.5㎥である。(なお,上記の数値の24.3㎥/4人世帯と28.5㎥/5人世帯は,東京都水道局の資料による(rf.参考文献12))。想定しているソーラーコミュニティーでは,960世帯4,000人が暮らしている。その世帯構成の平均値は,4,000人÷960世帯=4.1667人/世帯となる。表1:バイオマス算出に必要な係数(rf.参考文献10)-21-この場合の水の使用量を,比例配分で計算すると,24.3+(28.5-24.3)×0.1667/1=25.0㎥/世帯・月全体の使用量は,25.0㎥×960世帯=24,000㎥/月1年間では,24,000㎥×12カ月=288,000㎥/年=288,000t/年この値が,ソーラーコミュニティーにおける,年間の水の使用量となる。ここまでが,水を使用する側での水の必要量の考え方を述べている。次に,降雨量の側の考え方について述べる。統計的な考え方に沿って,ソーラーコミュニティー論における,降雨量からの水の供給量を計算する。3.4.2. コミュニティー内の降雨量からの供給量最初のソーラーモデル棟が建てられた場所,栃木県の現地周辺での降雨量は,気象庁の過去10年間にわたる統計値によると,1271.9㎜とされている。外側敷地32.91ha+内側敷地44.44ha=77.35haである。これを基に,全体の敷地における降雨量を求めると,1.2719m/年×77.35ha×10,000㎡/ha=983,814.65㎥/年ここに降る降水量の12.53%が,社会生活に水利用されていると考えると,983,814.65㎥/年×0.1253=123,271.98t/年さらに,そのうちの14.96%が生活用水に使用されているとすると,123,271.98t/年×0.1496=18,441.49t/年計算された数値から,両者の比較をする。ソーラーコミュニティー論における全体の必要な水使用量は,288,000t/年である。一方,降雨量から使用可能な生活用水量は,18,441.49t/年である(rf.参考文献13)。これが生活用水としての換算量の値。以上が降雨量から見た,生活用水量(換算値)である。(上記の12.53%と14.96%の値は,国交省の資料による(rf.参考文献14))3.4.3. 比較検討ここで,3.4.1. コミュニティーの水の必要量と3.4.2. コミュニティー内の降雨量からの供給量と,その両者を比較すると,

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