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以前に,火星に水のある可能性があると報じられていた。地球の歴史を顧みても,水があるところに,生命が誕生している。“火星の南極にある氷の下に大量の水をたたえた「湖」が存在する可能性が高いと,イタリア国立宇宙物理学研究所などのチームが発表した”(rf.参考文献02)。2.2.3. 水の働きについて2.2.3.1. 水の働きと地球地球という一つの惑星において,水を使いながらの生活が成立している。その水の働き方や水の再利用について考えること,自然エネルギー利用を推進し,地球環境のサステナビリティーについて考えること,地球環境の将来について考えてみたい。我々の生活のために働く水の量について考えてみると,「地球の重力から計算すると,地球が保持できる水の量は,約13憶5000万㎦とされている。海の深さが平均4000mとすると,地球の表面積の約70%が水ということになる」(rf.参考文献03)。2.2.3.2. 水の働きとサステナブル自然エネルギーの太陽エネルギーを利用するソーラーコミュニティー論における,水の働きについて考える。水の循環メカニズムの中に,我々人類の生活メカニズムが入っているように,サステナブルな循環を求める志向性の中に,我々の循環メカニズムを求める可能性も存在している。水も空気も,サステナブルな環境条件を構築し得なければ,人類の未来は危うい。自然の保有する包容力の範囲内に,我々の社会活動を,留めるべきである。自然のメカニズムには,自らの保有する持続性があり,それを活かした形でのメカニズムの構築力が,サステナブルなものである。我々は,メガシティーに住もうという考え方から,コンピューター技術の支援も含んで,自然のメカニズムによって,制御可能な小規模のスマートシティーに住む方向へ,その考え方を変える必要がある。人間社会の生命維持条件を形成するために,水が果たしている役割を,もっと知るべきである。-18-2.2.3.3. 水の大循環と地球地球における水の大循環について考える。“地球上の水が状態変化をしながら絶えず循環していることを,「水の大循環」という。人工的環境や火山などの高エネルギー状態や,光合成などの生化学的な過程において,水の合成や分解は起こっている。それらの過程で合成及び分解される水の量は,地球上の水の総量と比較して非常に小さい量でしかない。ゆえに,「水の大循環」という観点からは,地球が現在の環境で安定して以降,地球上の水の総量はほぼ一定で,その一定量が絶えず循環し続けていると見ることができる”(rf.参考文献4)。2.3. 水の様相2.3.1. 日本と世界の水事情日本における状況では,特に,災害時における水への対処方法が重要な要素となる。災害時における衛星の活用も,日本が得意とする分野であり,大切な一側面でもある。日本のいのちの水も,その安全性を二の次にして,他者へ,その水管理を委ねてしまってはいけない。2.3.2. 水の再利用地球環境におけるサステナブル環境創出の必要性を痛感する。不足する水の需要を補う意味からも,雨水利用など水の再利用を推進する必要がある。これらの基本的な考え方は,IWAにおけるポスターセッションでの発表においても,言及している(rf.参考文献5)。世界的な傾向として,都市化傾向が進んでいる。都市環境では,サービスの点から,より多くの電気と水を必要とする。不足する水の節水と再利用を考えていく必要がある。そのために我々は,メガシティー志向から,スマートシティーへの志向性に変える必要性がある。それが日本における減災についても,一助になると考える。2.3.3. 国際機関の働きと展望国連大学の取り組む課題の17の目標に分割して,2030年までに達成することを目指している。17の目標の中には,飢餓の問題もグリーンエネルギーの問題も

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