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中心になってきている。アセアンの設立は1967年8月8日バンコック宣言で始まり,PH,インドネシア,マレーシア,シンガポール,タイ国が参加した。84年にはブルネイ,95年にはベトナム,97年ラオス,ミャンマー,99年カンボジアの計10か国からなる域内の経済発展,社会進歩,文化の発展・促進を目的とした。そして国際経済的な総合統合としてASEAN INTEGRATIONとなった。政治的には域内の経済重視,協力,貿易のへの対外外交交渉力を得,これにより加盟国は急速な政治安定と経済成長を実現した。また,域内の国民総所得の格差解消,人材交流,文化交流を図るものとした。アセアン域内でのPH技術者の需要は今後見込まれるので,高度技術者の養成プログラムと単体技術者の養成のための全国的な施設,既存のTESDA職業訓練施設とのプログラム等,総合的な職業教育システムの構築時期でもある。まとめ (可能性)・アセアンは世界第三位の経済マーケットになった。・PHはアセアン諸国の中でも人口,貿易ともトップで中心的役割を担う立場である。・政治的に現在は安定している。・アメリカが広めた英語圏としてのグローバルな人材が育っている。・アセアン域内での政治,経済,人材交流,文化交流等の活動が期待される。・英語を話す若い人材の活用が望まれる。 (問題点)・アセアン域内の国々にはレベル差が存在する。(政治,経済,貿易,国民所得,社会体制,その国民のアイデンティティ等)・将来的にはEUの例を参考にした統一,経済交流,人材交流,文化交流等が望まれるが,文化の違い,国家の設立プロセス等の問題点も多い。・アセアンと世界に存在する大国との関係もアセアン内部の国々の国内事情により統一するには時間が必要である。・現在アセアン圏として政治的に大きな力を持つには至ってない。-23-2.6 産業産業の発達プロセスはその国のアイデンティティと国としての独立を示すものであり,その点PHの産業は他の先進国と比べると異質である。第一の原因は長い間の植民地支配により国としてのアイデンティティが構築できなかったことと,アメリカの影響による文化,社会のアメリカナイズ化した商品の流入により,自国生産の方式に至らなかったためである。PHの産業構造は,第一次産業として農業,林業,水産業,いずれもPHの主産業である。第二次産業として鉱業,銀産物,農村生産物,建設業,生産業の一部。建設業はPH全体として活発であるが労働者の訓練不足や技術レベルの低さで地方経済の雇用を含めた起爆剤になっていない。第三次産業は商業,運輸業,通信業,サービス業。特に通信業はコールセンター,BPO等は大きな産業として成長している。また,PH全土の豊富な天然資源,自然エコ環境を利用した観光業は活発で,中国,韓国,日本,さらに欧米からの観光客の数は年々増加している。第四次産業は未発達の産業で,AI,ロボット,情報,医療,教育サービスが今後の発達に期待できる。これらの分野に若い層が対応できる可能性が高い。PHの産業の課題は中核となる工業生産の産業の構築が急務であり,国際的に競争できる製品の製造が若い人材の活用とともに,この国の未来に大きな課題となる。まとめ (可能性)・農業,水産業,鉱業(金,レアメタル等),観光業が活発である。・生物多様性でPHは薬品の製造開発の拠点となっている。・若い人材は英語をしゃべりIT,ICT,IoT,コールセンター,通信分野でのその豊富な数で今後大きな産業に成長することが期待されている。・現政権の「Build,Build,Build」政策で,PH全土にわたり大規模投資による建設プロジェクトが計画されている。これにより雇用拡大,貧困層の救済,災害などに備える対策,都市内,都市間の

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