3/2018
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少集団にして肯定的な言葉のキャッチボールをしやすくすることにしました。3.2.4 緊張や失敗体験の回避(エラーレス)通常のグループワークでは緊張や疲労感が出て,焦りから思い込みが出て,思うように立ちふるまえず,失敗したなどととらえてしまうことがあります。このため,いかに失敗体験を回避するかが訓練実施の上で重要です。討議やシェアリングは,人の意見を批判することなく肯定的に受け止め,またさらに,指導員が巡回して,討議で内容が出つくしたようならシェアリングが盛り上がるようにSSTの手法を用いてコミュニケーションのコツと正のフィードバックをすることを提案し,エラーレスの状態での討議を盛り上げ自己肯定感も高めていきます。3.2.5 セルフヘルプの意識を大切にする特支者には会話をするにも,いろいろと不安を抱えてしまっている場合があります。このため,話しなさいと無理を強いることはできません。SSTによるロールプレイを通して言葉のキャッチボールのやり方を見て覚える経験をしてもらいます。この経験の積み重ねを図り,次第にグループワークに対する不安を軽減させます。指導員が具体的な行為を見せたり,考えさせたり,指導員や他の訓練生から正のフィードバックを受けたりすることで,特支者に「自分でもできるかも」と感じさせ,自分自身を力づけ苦手を克服していこうという意識を育てることが必要となります。3.2.6 過集中による疲労の軽減過集中とは「のめりこみすぎる」傾向にある場合のことですが,その反面,疲労しやすいといったことを踏まえ,訓練は既定の100分連続ではなく,システムとして小休憩を取り入れたり,作業の区切りのいいところで休憩が入れられるようにしたりするようにして体調の維持を図ります。3.2.7 目標を明確にするスモールステップで目標を明確にし,調べ,討-7-議する内容,範囲や所要時間などを限定化して訓練を進めるようにします。このことで,今なすべきことが明確になり,行動しやすくなります。また,時間が超過しがちな面を防ぐこともできます。例としては「9時45分までにまとめ上げてください」とか,「残り時間は10分です」「残り時間は5分です」とカウントダウンが有効です。3.2.8 適宜の声掛け慣れないことにストレスを感じながら精一杯頑張ってしまう傾向があると予想されるため,適宜,「できそう?」「休憩する?」「見学する?」「グループから離れる?」等,行動観察と声掛けが大切です。各グループを巡回しながら,指導員は様子をうかがうことを忘れず行う必要があります。3.2.9 小休止「失敗したな」という考えが,頭の中でいっぱいになり,今何をしたらいいのかがわからなくなることや,複数の情報が一度に入りどれも重要に感じ,パニック状態になることがあるため,その時は小休止を入れられるようにします。3.2.10 発言の辞退,見学,離脱をシステム化する特支者にとってグループワークは不安が伴う場合があります。そのため,パス,見学,一時的な訓練からの離脱ができることをシステムとして準備します。受賞論文の第4章では,グループワークの構成から,事前アンケートによるグループワークへの不安をうけての進行方法について詳しく述べていますので,ぜひ,本文をお読みいただければとおもいます。5.1 よかったという意見と笑顔によるフィード訓練中は「よかった」という意見を募ります。こバック4.グループワークの方法5.評価

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