3/2018
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表2 訓練中でうれしかったことは?図1 討議を体験してグループ討議で自分の発言が言え   ましたか?(N=15)れは,否定的なだめだしではなく,より前向きに考えさせ,また,ことばによるフィードバックの他にうなずきや笑顔など表情などのノンバーバル(言葉によらない)コミュニケーションも活用します。指導員から評価されるのと仲間からのフィードバックとでは,受け止め方にかなり違いがあります。自分の情報や意見が採用されれば笑顔になるし,討議になれば,できるだけ大きな声を出そうと努力するし,「いいね」の一言でも,緊張していた顔がほころびます。不安を抱いていた特支者の表情が豊かになっていく様子を見ると,仲間同士の言葉が持つ力の偉大さを痛感しました。この,「よかった」と笑顔のフィードバックがもたらす心理的影響は不安の軽減にとどまらず,「受け止めてくれた」,「うれしかった」につながっていくことを表2に示します。-8-5.2 訓練に対する評価訓練を受けての評価として,当初感じていた不安がどうなったか聞いてみました。「大丈夫だった」と「不安を抱えたまま訓練をしていた」の半々であったことがわかりました。(質問)討議を体験しての評価として,グループ討議で自分の意見が言えましたか?結果を図1に示します。経験を重ねるごとに,ことばの出し方や発表が上手になりました。他のグループの発表も真剣に聞いて,真剣に良いところをフィードバックしてくれ,さらに放課後に自主的に調べる特支者がでるなど主体性の向上が認められました。もちろん,居眠りをしたり,スマートフォンを私的に使っていたりしている訓練生は特支者を含めだれ一人いませんでした。「自分の発言ができたか?」のアンケート結果も本編では示しています。続いて,グループワークでの訓練ということでの,事前の不安が多かった満足度について満足度評価をしました。(質問)グループワーク形式の訓練の満足度評価として,訓練の満足度は?結果を図2に示します。訓練満足度評価の平均点は4.8点でした。ほぼ満点という高評価であり1,2,3点の特支者はいませんでしたので,全員が「満足」以上であったという結果となりました。

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