2/2018
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図4 電気柵本体図5 購入した高電圧発生器図6 購入した高電圧発生器の測定波形図7 昼夜判別機能の回路図市場に実際に出回っている商品を数点調べた結果,電気柵に使用されている電線には,アルミ線の使用が多かった。本システムでは,アルミ線より電気抵抗値が低い銅線を採用した。これにより電気柵の末端まで,より多くの電気エネルギーを送ることが可能となる。また,市販されている電線を張り巡らしているポールには,木材や金属(スチール),樹脂製が使用されている。本システムでは,市販されている材料と同程度の絶縁能力のあるVE管を使用した。図4に今回作成した電気柵を示す。3.3 回路の製作3.3.1 試作機の製作高電圧発生器の働きを理解するために,今回作成した回路を製作する前に,試作機の製作を行った。市販されている高電圧発生器を使用して,1000V程度の電圧パルスが1秒おきに発生していることを確認した。図5に購入した高電圧発生器外観を,図6にオシロスコープで測定した電圧の波形を示す。-26-3.3.2 昼夜判別機能昼夜判別機能は,周囲の明るさによって,自動で動作のONとOFFを切り替える機能である。野生動物は夜行性のものが多い。また,日中は人が電気柵に触れる恐れがあるため,CdS(硫化カドミウム)セルを用いて,夜間のみ電流を流す昼夜判別機能を実装した。CdSセルは,明るい場所では抵抗値が減少し,暗い場所では抵抗値が増加する性質がある。この性質を利用し,夜間だけ,高電圧を発生させる。また,昼夜判別機能の回路図にあるスイッチSW2をOFFにすることで,常に高電圧を発生することができる。図7に昼夜判別機能の回路図を示す。3.3.3 ランプ点滅表示機能ランプ点滅表示機能は,通電時にLEDライトを点滅させ,通電中であることを知らせる機能である。動作原理は,昼夜判別機能によってリレーがONされている時のみ,コンデンサに充電と放電を繰り返し,ランプを点滅させる。図8にランプ点滅表示機能の回路図を示す。

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