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表1 就職率等(平成23~29年度)※1 平成29年度は,平成30年4月18日現在の暫定値※2 前年度繰り越し者数を含む※3 平成29年度は,平成30年2月次の数値表2 (参考)全国の就職率等(平成26~29年度)※ 平成29年度は,平成30年2月現在の数値-16-念頭に入れておくべきことは,受講者の就職目標はひとりひとり「バラバラ」である,要は「違う」ということである。そして我々は,その違いを理解した上でひとりひとりの目標突破に向け,受講者と共に就職活動をすることになる。しかも,様々な制約(訓練担当時間など)の中で支援を実践することが前提となる。では,我々は就職支援をどの様な方法で行えばいいのか。それにはまず,大きく分けて2つの方法がある。ひとつは個人(1人ずつ)に対して行うもの,もうひとつは複数人(クラス全体または数人のグループ)に対して行うものである。個人に対して行う場合(就職支援で中心となる方法)は,指導員から受講者に対して様々な投げ掛けを行い,前に進めていくことになるが,複数人に対して行う場合は,指導員から様々な投げ掛けを行うことはもちろんのこと,受講者同士が相互に刺激し合う環境作りを行うことによって支援を進めることができる。3.2 指導員から受講者への就職支援(実践)ある日の出来事。ある受講者からのひとつの提案が,このクラスのあり方を変えることになった。その提案は,訓練冒頭の朝礼時(全員で挨拶をして担任が出席を取る)に,1日の訓練の始まりにあたって「受講期間中のクラス目標を全員で定め,指差し呼称を行ってはどうか。」というものであった。受講者本人が,工場で働いていた時に安全対策の一環として毎朝,指差し呼称していたことにならっての提案である。我々は,その提案に対し「クラス全員に諮って“全員でやろう”という結論に至ればやって下さい。」と返事をした。その日の訓練後,クラス全体での討議が行われた結果,朝礼時に全員で指差し呼称を行うことが決まった。毎日呼称する言葉も受講者が順番に考えたものを掲示することになり,その翌日から毎朝,教室の前のホワイトボードの右側には日直が書いた指差し呼称項目があった(図9)。指差呼称の活動を始めて数ヶ月後,別の受講者からの発案で「クラスで有志を募り,訓練開始30分前から施設正門の横に立ち,門を通る受講者全員に3.1 指導員から受講者への就職支援(考え方)離職者訓練コースの受講者は,全員ある共通点を持つ。それは,求職者であり,就職という目標があることである。その目標達成のために,職業訓練を受講し,生かそうと考えている。そして指導員である我々は,その受講者の目標達成のため,「どの様にアプローチを行えばよいのか」を考える。これが,就職支援の出発点となる。そこでまず,我々の3.指導員と受講者によるクラス運営

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