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最優秀賞の村川さんが,自分は「技能がしっかりした上で技術を磨いていく」というふうにとらえて,技能を土台にすることにしました。-作品の要素には,どのような意味が込められているのでしょうか?最初に「不安定さ」を出したいと思いました。自分がまだ未熟で技術をそれほど持っていない。ぐらついている技術の中でどう成長していくかを円や球体を使って表現しました。また,技術が増えれば能力も増えると考え,能力が増えていく様子を線で表現しました。-制作期間は?難しかったところはどこですか?ラフスケッチにはそれほど時間はかかりませんでした。パッと思いついて描いたため,1時間ぐらいだったと思います。グラフィックソフトでの作業に入ってからは,2日間かけて作品を完成させました。球体の影や光の位置の調整には時間がかかりました。線の配置のバランス,特に交差部分についてはとても悩みました。それから,背景のグラデーションと影の調整も難しかったです。-せっかくの機会ですので,同校へ入学するきっかけについてお聞かせください。この学校に入るきっかけは,小学6年生のときに父親が教えてくれたことですね。インターネットで看板の勉強ができる学校を調べてくれて。父親のおかげですね。-34-実は家業が看板屋で,祖父と父親の仕事をずっとそばで見ていて,「すごいな」と思っていました。幼稚園の年長のときに,簡単な作業ですが初めて仕事の手伝いをして,「楽しい」と感じました。このときの気持ちが看板屋への就職を目指す原点になったと思います。中学生になってからも手伝っていたのですが,本格的に看板作りをさせてもらったのは高校3年生ですね。ますます看板屋に対する思いが強くなりました。その後,やはり基礎からしっかり学ぼうと思い,この学校の見学会に参加することになりました。広告看板科に入った時に看板がたくさん並んでいる様子を見て,「やっぱり自分のやりたいことはこれなんだな」とあらためて思いました。-家業が看板屋とのお話でしたが,今後の展望についてお聞かせください。卒業後は宮城県内の企業に就職します。自分の目標としては,まずは5年間やってみて,自分が納得できる技術が身についていたら,父親と一緒に仕事をしたいと考えています。今後,店舗看板だけではやっていけないと考えているので,違うことにも取り組めるよう,就職先でたくさんのことを学び,自分のものにしたいと思います。-最後に今後応募されるみなさんに向けて,一言お願いします。作品を見てくれた人にコンセプトを想像させることができるようなものが作れるとよいですね。それから,今回の作品にも「自分はこれからどんどん大きく成長していく」という思いを込めているのですが,デザインがシンプルでも複雑でも,何か一つ伝えたいメッセージを含めることができれば,きっとよい作品になると思います。-毎年応募いただきありがとうございます。最優秀賞作品が生まれるまでの経緯をお聞かせください。4.指導者インタビュー

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