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表6 職業大と機構施設の競技運営支援状況〈参考文献〉合大学校(以降,「職業大」という。)の教員は17職種の競技運営を支援した。さらに,独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以降,「機構」という。)の全国の施設である職業能力開発大学校,同大学校附属短期大学校,及び職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)からは,教員と指導員が11職種の競技運営の支援に当たっている。これら機構の全国施設と職業大を合わせると,計18職種の競技運営を支援したことになり,職種数では実に約43%(=18/42)の支援率であった。表6は,職業大と機構施設について,今回の18職種の競技運営に関わった支援人数の一覧を示している。職業大教員は12職種の主査を担当するとともに,各職種へ競技委員と補佐員を派遣した。なお,表中の機構施設の各人数は主査を含む競技委員の施設別総数である(補佐員を含まない。)。同表を見るとわかるように,職業大から計45名,機構施設から計24名の合計69名が栃木県大会の競技運営に参画した。機構組織全体を1つの競技支援団体として見た場合,この合計69名から成る支援体制は決して少ない人数とは言えないであろう。以上のように,職業大と機構施設の教員と指導員は,技能五輪全国大会の公正な競技運営と厳正な成績評価に対する責務を果たしながら,参画者の一人一人が,日本の技能振興を推進するための極めて重要な役割を担っている。各種競技会やイベントの実施状況については,写真をふんだんに使用した報告がなされるのが常である。しかしながら,現在は「第55回技能五輪全国大会」等のキーワードでWEBを検索すれば,全国大会に関わる静止画や動画を容易く閲覧することができる時代である。このため,本稿では視点を変えて,WEB上に公表されている各種大会情報を用いて,それらから数値データを抽出し,図表によって定量的に視覚化し,分析することを試みた。その結果,筆者としては新たな発見や知見が得られたものと自負している。-31-[1] 中央職業能力開発協会ホームページ,最新の大会情報 第55回技能五輪全国大会,http://www.javada.or.jp/jigyou/gino/zenkoku/saishin_taikai.html,(2018年1月10日閲覧).[2] 平成29年12月9日付下野新聞朝刊.[3] 総務省統計局ホームページ,http://www.stat.go.jp/index.htm,(2018年1月10日閲覧).[4] 厚生労働省ホームページ,第55回 技能五輪全国大会が閉幕しました,http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000186005.html,(2018年1月10日閲覧).本稿のように競技結果を工学的視点から定量的に図表化して表すことは,技能とその醸成環境を分析する上で重要な領域に属するものと考えられる。すなわち,このような分析を継続することで,日本の技能水準の変遷・変化や特徴の抽出・把握,あるいは弱点やかたよりの発見とその対策の考案にたどり着くかもしれない。そうあることを祈念するとともに,技能を科学して分析する領域の発展に期待を寄せつつ,結びの言葉としたい。本稿が読者諸氏の参考となれば幸甚である。5.おわりに

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