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図5 プログラム学習適用クラスの入所選考結果図6 プログラム学習非適用クラスの入所選考結果図7 プログラム学習適用クラスのまとめテスト図8 プログラム学習非適用クラスのまとめテストは,演習問題の作成と行動要素の割付を同時に行いながら,演習問題の出題の順番や難易度を検討していく。実際に作成したプログラム学習教材(演習問題集)の例を図3および図4に示す。図3は電気系訓練における電気理論に関するものであり,図4は居住系訓練における構造計算に関するものである。本教材は,見開きの左側のページに演習問題を配し,右側のページでその回答を示している。受講生は教材の左側を見ながら演習問題を解いていき,1問解くごとに右側で正答を確認していく。もし,回答が不正解であった場合は,受講生は各自解法を右側のページで確認しながら学習していく。それでも不明点が残る場合には,指導員が直接指導するか,問題を早く解き終わった受講生に説明をさせる。その際,指導員は机間巡視を常に実施し受講生の進捗状況を確認するとともに「互いに教えあう」ことができるような教室の雰囲気づくりに努める必要がある。この教材では,反復による学習ができるように,同程度の問題を連続して2~3問配置している。図3において,ステップ①には2題が配置されている。この2題は問題の内容は同じであって,数字が異なるだけである。したがって,受講生が演習問題を解いたとき,1問目の問題が分からず,答えを見たり指導員に質問することにより理解した場合,2問目でその理解度を再確認することができるようになっている。プログラム学習教材(図3に示した電気理論に関する教材)を実際の離職者訓練に適用し,その効果の検証を行った。この検証は,プログラム学習教材を用いて訓練を実施したクラスと,当該教材の開発以前に訓練を実施したクラスの両者について,それぞれの入所選考(計算問題を100点満点換算。以下同じ。)と,訓練終了時のまとめテストの結果について行った。両クラスは人数や年齢構成等の条件が異なり,一概に比較はできないため,後者は参考として示す。また,筆者らの所属が職業能力開発施設-11-であるという性格上,1クラス当たりの人数は大きくない。かつ,図5-8に示すとおり,テストの得点分布は幅広く一様,またはランダムに分布する傾向があり,明らかに正規分布とはなっていないことが4.離職者訓練への適用と評価

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