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図3 オペレータの五感を暗黙知から形式知化図4 討議・分析・標準化図5 ベテランと新人・中堅の相違触覚:サーモグラフ,温度センサー嗅覚:嗅覚センサーしかし,人間はこれらの五感を別々に使っているわけではなく,相互に組み合わされて知覚を形成している。第一は視覚であり,まずは,オペレータの動作を監視することが重要となる。しかし,動画のみでオペレータの操作を撮っても,何を見ているかは明確にわからない。そこで,アイトラッキングを利用して目線に絞ることで,「歩いている」という動作でも,全体の状況をみて歩いているのか,ぼんやりして歩いているのかなどがビジュアル的にわかる。さらに,目線に絞って行動情報を収集することで,触る,聞くなどの行動が明確化される。よって,目線の次には,この「触る,聞く,嗅ぐ」などの情報を収集するためにIoTを追加すれば,オペレータの入力情報全体が収集され,明確化することができる。4.2 討議IoTで収集した各オペレータの入力情報と操作(操作履歴,アラーム履歴など)や文献や知識などを元に関係者全員でどうオペレーションすべきかを討議・分析し,標準化して活用できる要素とする(図4)。-5-ベテランオペレータは,現場の状況を熟知しているので,周りをみて挙動を想定し,与える値を決めている。しかし,中堅オペレータは,現場の状況を熟知していないので,操作した後に挙動を確認しているというオペレーションの違いがある(図5)。また,最近は自動化が進み,その基本理論がわからないままオペレーションしている人が増加している。同時にマニュアル化も奨励された結果,中堅までのオペレータ育成はできるが,それ以上のスキルを持ったオペレータが育っていないのも事実である。そこで,オペレーションの形式化の新手法を使ってOJT,OFF-JT育成システムを構築することで,中堅・新人の育成とベテラン育成の2つを行うことで,ベテラン社員までの育成が短縮化できる。IoTを活用したOJT用オペレータ育成システムとして,(1)アラームが出たときにどのようなことが考えられるかを提示するオペレーションHELPシステム,(2)ある場所に行くと,そこで今まで発生したヒヤリハットや何をどう点検するかビジュアル的に表示する支援システムなどがある。下記に支援システムの例を記述する(図6)。・オペレータがその場所に到着した時,どこを見れ5.ベテランと中堅の相違6.育成システム例(2)

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