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図1 土俵の形状東海職業能力開発大学校 楢原 康弘「ロボット相撲」とは直径1.5mの鉄板土俵上で,自作したロボット力士が戦い,相手を土俵から押し出した方が勝ちという競技である。ロボット「力士」とはいえ,いわゆる人型ではなく,どちらかといえば車両型のロボットが多く見られる。ロボット力士は,強力な磁石で土俵に張り付き,強力なモータでタイヤを駆動して移動することで相手と戦う。実際の試合を観戦すると,高速で移動するロボット同士のぶつかり合いが見られるなど非常に迫力がある。大会では,「自立型」と「ラジコン型」の二つの部門に分けられ,部門ごとに競技が行われる。自立型ロボットは,ロボットに搭載されたコンピュータ,センサにより相手ロボットに関する情報収集,分析,判断を自立的に行い戦う。ラジコン型ロボットは,プロポーショナル・システム(プロポ)を使って,競技者がロボットを操縦して戦う。東海職業能力開発大学校(以下,「東海能開大」という。)では,平成23年からロボット相撲に取り組んできた。現在まで6年連続で全国大会に出場しており,平成26年には全国3位という成績も残した。本稿では,ロボット相撲の概要,製作した自立型相撲ロボット,および東海能開大での取り組みについて紹介していく。全日本ロボット相撲大会とは,富士ソフト株式会-40-社の主催で,1989年より開催されている競技大会である。例年9月~11月にかけて全国9地区で予選が行われ,各地区を勝ち上がった合計32台のロボット力士が12月に行われる全国大会に出場できる。ロボット力士の寸法および重量の規制はあるが,他のロボット競技に比べて,設計・製作に関する自由度が大きく,様々な形状,性能のロボット力士が登場する。ロボットづくりを通して,技術の基礎・基本を習得し,研究意欲の向上と創造性の発揮の場を提供し,「ものづくり」の楽しさを広めることを開催目的としている。競技に使用される土俵の形状を図1に示す。また,ロボット製作時の制限事項,およびロボット相撲のルール概要は次の通りである。1.はじめに2.全日本ロボット相撲大会3.ルール概要〜_東海能開大の挑戦_〜自立型相撲ロボットの製作

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