3/2017
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図12 中規模職種における参加選手数の動向図13 小規模職種における参加選手数の動向いる。旋盤職種と電子機器組立て職種は第52回大会まで参加選手数が増加し続けたが,第53回大会から二次予選(都道府県予選を一次予選と呼ぶ)を実施し,参加選手数の増加を制限する工夫を行っている。電工職種は微増とも捉えられるが,参加選手数にさほど大きな変動は見られなく,40人前後の競技が継続している。メカトロニクス職種は2名1組で競技を行うため,参加組数としては同図の半分になるが,現在まで増加の一途をたどっており,人数制限に関する今後の工夫を要する。図12の中規模職種と図13の小規模職種では,参加選手数の増加は,大規模職種に比べれば微増と言えなくもないが,13年間で2倍前後に増えた職種(機械組立て,抜き型,精密機器組立て,機械製図,電気溶接,工場電気設備)が多いことから,競技運営,特に成績評価のための採点作業に従来以上の時間と労力を要するようになってきた。ここで,それぞれの職種の競技実施方法には次の2つのパターンがある。①課題に当日公表や当日変更があるため,同時進行での競技実施が重要となることから,参加選手を一同に会して2日間で一斉に競技を実-38-施するパターン。精密機器組立て,メカトロニクス,機械製図,電子機器組立て,電工,工場電気設備,建築大工,ITネットワークシステム管理,情報ネットワーク施工がこれに該当する。②競技用設備機器の台数制限から,参加選手をいくつかのグループに分け,同一の競技スケジュールを繰り返し実施するパターン。機械組立て,抜き型,旋盤,構造物鉄工,電気溶接がこれに該当する職種であり,この実施パターンの場合,競技課題は事前公表である。競技実施パターン①では,参加選手数の増加により,極力広いスペースの競技会場が必要になり,特に都道府県開催時には1箇所の体育館を1職種が独占して競技を実施することも頻繁にある。このような多人数を対象とした職種では,競技実施は一度で済むものの,競技終了後にはおびただしい量の採点作業が待ち受けており,競技委員には体力,精神力,忍耐力のいずれもが求められる。競技実施パターン②では,競技グループの入れ替え時間が必要になり,機材搬入や工具展開のような準備作業に半日を,競技実施と機材搬出に1日ないし1日半を要するから,1グループの競技運営には2日から2日半かかってしまう。したがって,参加選手数が多い職種では,グループの数が増えるため,公式会期以前から競技日程を組む必要があり,スケジュールが1週間以上に及ぶことがある。こうなると,競技委員は競技運営に加えて,成績評価のための採点作業を継続的に行いつつ,限られた時間の中で成績結果を報告しなければならない。採点ミスは許されないから,競技委員の精神的・肉体的負担や心労は計り知れないものがある。以上は職業大教員の全国大会への支援状況の一側面を紹介したに過ぎない。しかしながら,前記のようなタイトでハードな競技日程をこなす際に,競技主査となった職業大教員が非常に重要な役割を果たしている。すなわち,競技主査は,各職種の競技委員・補佐員を鼓舞・牽引し,結束力を高めるとともに,滞りのない競技運営とミスのない成績評価を遂行している。同時に,職業大の沿革に裏付けされるよう

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