3/2017
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写真1 溶接競技風景写真3 全国大会閉会式の写真図4 技能五輪全国大会実績推移写真2 機械組立て競技風景機械製図・メカトロニクスの5職種については技術技能ラーニングセンターで訓練を実施し,溶接・構造物鉄工の2職種については,フォークリフトを製造している高浜工場にて訓練を実施している。基本的には2年間の訓練を実施しており,一部職種では1年目を基礎訓練期間として,3年間の訓練を行い,全国大会に臨んでいる。4.2 大会結果技能五輪全国大会に参加した翌年には構造物鉄工で銅メダルを獲得,2007年には機械組立て,構造物鉄工,溶接職種の3職種で金メダルを獲得するところまで育成を推進してきた。技能五輪に挑戦を始めた2000年からの五輪修了生は100名を超え,敢闘賞以上の入賞者数は延べ104名で,うち金メダル獲得者は12名である。国際大会においては敢闘賞以上5名,うち金メダル1名となっている。(図4)-30-5.1 五輪選手の選考技能専修学園訓練生の中から毎年,職種毎に1名から2名選抜している。選考では高校時代の成績やクラブ活動歴,性格診断及び学園での実習態度,各職種の選考課題の成績などから適性を判断している。先述した学園訓練での心身訓練で心身両面を鍛えてはいるが,技能五輪では大きなプレッシャーと戦いながら精密な作業を進める必要がある為,それに耐えうる人物を見極めるのは非常に難しく苦労している。また,五輪選手として競技に参加しメダルを獲得することは一つの目標ではあるが,技能五輪では,「困難な課題でもやりきる粘り強さ」「自分に必要とされる技能の積極的な吸収力」「他企業の選手コーチ,関係者との積極的なコミュニケーション能力」など将来,職場配属されたときに必要とされるスキルを身に付けることができると考えており,これらを習得できる人物であるかが重要である。5.2 選手育成と指導原則2年間の訓練を行い,大会に2回チャレンジをしている。当社では現場で必要とされる「腕・知恵・心」の三本柱を基本に職場で人材育成を実施しており,五輪訓練においても同じ考え方で育成を行っている。「腕(技能)」については1年目の初期の段階で基礎技能を徹底的に教え込むようにしており,必要技能を要素作業に分解し,項目毎にレベル評価を実施して試行錯誤を繰り返しながら確実に基礎技能を身に付けることで,段階を踏んで製品精度,目標時間,出来栄えなどの難易度を上げて全国大会レベルの技能を修得できるように育成をしている。例えば機械組立て職種のヤスリ仕上げでは,足先の角度から指先一本一本に至るまでの感覚をコーチがマンツーマンでとことん教え込む事で,0.001㎜の精度を体現するのに欠かせない,自分の身体をコ5.五輪選手の育成

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