2/2017
45/60

域連携のサポートにも関わっていく。【事例5】いわき市環境整備事業協同組合は大規模浄化槽の保守管理を業務としているが,浄化槽制御盤の故障診断などの保守点検技術の向上が課題となっていた。このため,高度ポリテクセンターの協力のもと現場視察による課題の確認から開始し,約6か月をかけて準備を行い,オーダーメイド型コースとして取り組んだ(写真17参照)。(3)個別企業のオーダーメイド型訓練の取組社員に対するオーダーメイド型訓練を希望する企業は徐々に増えているが,以下に2例を紹介する。【事例1】A社(システムキッチン等の製造販売)A社は約2千人の製造現場従業員を擁しシステムキッチンを主に製造する地元の大手企業であるが,震災によって浸水被害や地盤沈下などによって大きな被害を受けた。力を入れているのは,ジャストインタイム方式による製造である。創業者の教育にかける熱意とクラフトマンワークが今も受け継がれている。熟練技能の継承やモチベーションを高める技能検定等の取得意欲の喚起に取り組んでおり,社内で困難な講座は,毎年度センターを利用して教育を行っている。これまでの実施コースは以下のとおりである。①NCタレットパンチプレスのプログラミングと加工技術 ②曲げ加工実践技術 ③機械加工を考慮した機械設計技術(2次元CAD) ④TIG溶接実践技-43-術 ⑤プレス加工の理論と実際社内での人材育成のしくみを再構築し5年が経過し,研修に「社員自ら研修に手を挙げる」「これを受講したい」「資格を取りたい」などの雰囲気も出てきたと聞いている(写真18参照)。【事例2】B社(モータ製造販売)B社は地元のモータ製造企業である。B社の納品先企業X社は職種ごとに社内検定を実施していて,B社がX社の社内検定資格者を有することは企業としての優位性・品質保持の強みになることから,溶接検定に応募した社員へ溶接技術を教育して欲しいという要望があったが,社外では無理であるので社内に講師を派遣して実施してほしいというものであった。5日間をかけて半自動アーク溶接技術コースを実施した(写真19参照)。また,若手OJT指導者育成等のために,NC旋盤加工技術やマシニングセンタ加工技術コースなども利用している。写真17 いわき市環境整備事業協同組合主催「浄化槽制御盤の保守及び故障診断技術 習得講座」実施風景(中央が担当の高度 ポリテクセンターの石田)写真18 A社の2次元CAD講座実施風景写真19 B社工場内での実施風景 (右端が溶接実演をする担当の木嶋)

元のページ  ../index.html#45

このブックを見る