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図9 学生ボランティア(大学コンソ)その他,県内大学との連携を行っている「コンソーシアム熊本」との情報交換により周囲の大学の状況を把握することができた。コンソーシアム熊本を通じた学生ボランティアの募集があり,本校の学生も参加の意欲を示した。ゴールデンウィーク中には被害家屋現地調査の調査員補助として活動し,7月には「江津湖クリーン作戦」という清掃活動に80名もの学生が参加した(8)。図9はその時の集合写真である。11月には益城町の広安西小学校で開催された熊本地震の復興プロジェクト「未来のまちづくりを考えるワークショップ」で学生ボランティアとして3人の学生が参加した(9)。震災直後でも一部の学生は自主的にボランティア活動を行っていた。本校職員は5月の連休,震災被害が甚大である益城町を支援するため派遣された。また,本校がお世話になっている国内外の皆様からから励ましのメッセージやご芳志を賜った。多くの企業様からは励ましの言葉と支援の申し出,周辺の市や町からは被災した学生の下宿探しに関する情報提供,長崎県諫早市の市民団体様からは義損金の提供,韓国からは緊急給水袋の提供,工具メーカー様からは教育資材の提供などである(10)。本校も地震等の緊急時における対応マニュアルを準備して危機管理を行っていたものの想定外の事態が生じ,対応は思うとおりに進まなかった。ここではその課題を含めた実施状況などを述べる。-39-4.1 ライフラインの確保地震後のライフラインの状況を熊本県全体でみると電気については最大47万7000戸の停電が確認されている(4)(4月16日2:00時点)。都市ガスでは10万884戸の供給停止が確認されている(11)(4月26日15:00時点)。水道では最大で44万5857戸の断水が確認されている(4)(7月28日時点)。本校でも地震直後は全てのライフラインが停止の状況であった。被災当日,電話の不通により周囲との連絡が取れない状況が生じたことや停電によりパソコンの使用ができずメール等の利用ができなかった。また,警備会社のセキュリティロックが停電により一部解除できなかった(警備会社のセキュリティロックについては動作的には問題が無かったとのことであった)。ガスについては都市ガスとプロパンガスの両方を使用していたため都市ガスが不能でもプロパンガスを利用することができた。4.2 安否確認の方法一般的な安否確認には各個人の連絡先の情報を所有していることがまず第一,その他にも電話による災害用伝言ダイヤルや携帯電話による災害用伝言板などの方法も普及している。本校でも安否確認のために各個人の連絡先情報を収集しているので職員全員の安否確認は携帯電話等により早い段階で確認できた。職員数に比べて人数の多い学生の安否確認についてはパソコンメールを想定していたが,当日の停電でパソコンの使用が出来なくなり時間を要した。4.3 情報の共有について校内の被災状況については総務学生課で把握するようにしていたが,余震による被害の拡大が日々,生じていたため,新たに発生する被害についてはタイムリーに把握できないこともあった。本校では全職員に情報収集の協力を仰ぎ,全職員が情報を提供できるよう,情報収集用のボードを設置し,被災場所の確認と情報の共有を図った。特に学生の生活環境については把握することが難しく,4.緊急時における課題

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