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図8 県向けの救援物資(体育館)関係で火災,地震,台風,大雨,大雪等である。今回,地震発生の時間帯によりトラブル直前の対処方法は「職員不在時」における行動となった。また,本校は県立の短期大学校であるため,被災者の救援活動も重要なミッションとなり,県全体の避難物資の搬入搬出や甚大被災地域への支援業務等も含まれる。3.2 本校の対応3.2.1 震災直後の対応発災直後,本校が独自に策定した「緊急時対応マニュアル」にしたがって対応したが,スムーズな対応は難しかった。発災直後の対応としては,人に関連すること,学校に関連することがほとんどで,人に関連することでは安否確認,連絡網の構築,通学通勤の可否確認などである。最優先となる学生の安否確認においては,停電でパソコンが使用できず,メールが利用できない状況が発生した。結局,使用可能な個人のパソコンからメールを発信した。一方,職員の安否確認においてはスマホなどのモバイル端末を利用することで比較的早期に完了することができた。学校に関連することでは校内被害調査,時間割検討などである。本校職員,熊本県および業者とともに建物全体の被災状況を調査し,それに伴う立ち入り禁止場所を設定した。その他,施設・設備の損害状況の調査,ライフライン状況の調査と復旧対応など。これらの状況を確認し,学校の休校と行事の実施可否等について検討を行った。3.2.2 授業再開までの対応(7)授業再開までの対応としては,学生生活の支援に関する検討,授業再開の準備,および学生の体調管理への配慮が行われた。被災した家庭の家計状態を配慮した授業料納付期限の延長,被災した住居や通学路・通学手段の状況を配慮した下宿・寮などの斡旋,通学経路の確認,学生相談の積極的受け入れなどが実施され,同時に-38-被災状況の再調査が行われた。授業再開の準備として学年暦の見直しがなされ,設備の状態確認や非常勤講師との調整が行われた。いくつかの校内行事は延期された。避難所生活をやむなくされた学生,生活復旧活動が必要となった学生,通学路の閉鎖による長時間通学の学生には,生活環境の影響に対する体調管理への配慮などが検討された。3.2.3 授業再開4月15日(金)以降を休校としていたが,5月9日(月)から授業を再開することとなった。授業再開後は緊急避難経路と避難場所を確保して,被災以前の教育環境に劣らないよう留意した。ただし,体育館,建物,高価な精密機器など,緊急に対応が取れないものについては代替えによる処置が行われた。地域貢献活動として実施してきた在職者セミナーは継続して行うこととし,技能検定をはじめ,資格試験の実技試験会場としても本校の利用が継続された。3.3 熊本県,地域との連携熊本県との連携を図り,本校体育館は全国からの救援物資の受け入れ先として指定され,救援物資の倉庫として利用された。県外からの食料品や生活必需品などを積んだトラックが体育館へ誘導され荷物が降ろされた。図8の写真は全国から運び込まれた県内向けの救援物資を示す。運び込まれた物資は適宜,必要とされた地域へと運び出された。

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