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図2 函電協向けオーダーメイドの在職者訓練図3 道大会の競技課題筆者は当施設に赴任して4年目となるが,1年目に電気関連の在職者訓練を担当した際に,受講者に函電協の傘下企業が少ないことに驚いた。そこで筆者と当時の訓練課長は連携強化のために函電協の事務局をはじめ,多くの傘下企業へ当施設の説明と,何か事業主支援ができないか訪問を繰り返した。その結果,函電協は新入社員研修講師の高齢化問題と,次世代への技術継承問題に直面していることが分かった。この問題をきっかけに,新入社員研修だけではなく,人材育成全般を見直すことを提案し,平成27年度から傘下企業の従業員を対象としたオーダーメイドの在職者訓練を企画して実施した。担当の在職者訓練の成果は,H26が受講者数計6名,H27が計70名(前年比1167%増加),H28が12月末で計68名となり,今後も継続的に在職者訓練を行うことを函電協から依頼されている。図2に函電協向けオーダーメイドの在職者訓練風景を示す。その流れから,函電協理事長より人材育成にかかわる函電協の事業委員を委嘱され,委員会の出席及び競技大会に向けた函館代表選手の育成を任されることとなった。電気工事技能競技北海道大会(2)(3)(以下,道大会-30-という)の目的は,北海道電気工事業工業組合に所属する電気工事技術者の技能の向上,電気設備における保安の確保および,次の世代を担う若手電気技術者に電気工事業の素晴らしさを体感してもらい,社会的地位の確立並びに電気工事業の進歩発展に資することである。その記念すべき第1回道大会が平成28年9月10日(土)に,札幌で実施された。この道大会は北海道内の11支部の組合から推薦された第1種又は第2種電気工事士の代表者が15名集まり,電気工事の技能・技術を競う大会である。上位2名に入賞すると隔年ごとに開催される電気工事技能競技全国大会(4)(5)(6)に出場できる。競技内容は,事前公表の課題に基づき競技パネル(幅1820mm×高さ1820mm)に,100V並びに200Vの金属管工事,合成樹脂管工事,ビニル外装ケーブル工事及び弱電工事(LAN・TV・電話配線工事)を施し,180分以内に屋内配線(図3)を施工する。さらに,近年の震災による事故防止対策として感電リレーを用いての電灯盤を出題しているのもこの競技大会の特徴といえる。出場選手の多くは中小規模の電気工事会社に勤め,普段から現場での作業を行っているため,競技会場では熟練され鍛えられた技能・技術が見ることができる。3.函館地方電気工事協同組合との連携4.電気工事技能競技北海道大会

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