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表1 函館市の人口推移図1 地域別の年齢割合北海道職業能力開発促進センター函館訓練センター 高木 豊昨今の日本では少子高齢化問題や2018年問題と若年層の労働人口減少が大きな問題となっている。函館市では表1のとおり人口減少が大きく進み,さらには図1のように他都市より若年層の人口割合が少なく少子高齢化の進んだ代表的な地域となっている(1)。そのため函館地域の企業では,労働環境の悪化,人材育成・技術継承の不十分,後継者の不足など事業主や現場で様々な問題が噴出している。-29-また,観光都市である函館はサービス業が主な産業であり,製造業が未発展で,元々ものづくり関連の企業が少ない地域である。そのため,当施設の在職者訓練では柱となるコースが存在せず,とうとう在職者訓練の実施人数は平成26年度に全国最下位となってしまった。筆者らは地域を活性化させ,在職者訓練を盛り上げるために,函館地域の団体や企業に訪問し,人材育成に繋がる糸口を探した。その結果,函館地方電気工事協同組合(以下,函電協という)から人材育成の相談があり,平成27年度から電気設備関連の在職者訓練を企画し実施している。さらに平成28年度には,道内の電気工事士が技能・技術を競う,電気工事技能競技北海道大会の函館地区代表選手の育成を任されることになった。筆者は選手育成のために,当施設内に育成環境を構築し,北海道大会に向けて,選手への指導を約9ヶ月間行った。本稿では函電協との連携と競技選手の育成について報告する。函館訓練センターは全国61箇所あるポリテクセンターの中でも規模が小さい施設の一つで,指導員総数は9名である。離職者訓練コースは5つの科が用意されてあり,筆者は企業実習付き短期デュアルコースの電気設備技術科を担当している。また,在職者訓練は80名の計画を行っている。1.はじめに2.函館訓練センターの概要函館地方電気工事協同組合との連携による地域の人材育成〜電気工事技能競技大会選手の育成〜

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