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表3 参加選手向けアンケート項目な経験をさせていただき,私個人の成長になったと思います。」など,同業他社の仕事を知る機会,スキルアップにつながるなどの感想が多く,概ね良好な回答であった。設問8の回答では,「作業における審査基準,声出し確認ポイント,あまりにも情報が少なすぎて本番で動揺したので,ざっくりでもいいので欲しかったです。」,「ルールや準備がしっかりしてなかったり,明確じゃなかったので,次回はそこをしっかりしてほしいです。」などの回答があった。5.5.2 競技審査に関する関係者の意見大会を終え北海道電気工事工業組合青年部(以下,青年部と称す。)より,次回大会に向けた意見交換が行われた。採点中の大会全般,競技,審査について多くの課題が抽出された。審査に関する主な指摘として,「延長時間の必要性」,「審査基準の公開」,「審査基準に不明瞭な点がある」などであった。-27-審査基準は,審査項目ごとに減点数の議論が必要であると考える。多種の欠陥項目がある中で,欠陥の種類によって重みが違う。基準となる欠陥の点数を設定し,その欠陥レベルに対して異なる欠陥の減点数の妥当性について検討が必要である。今回の審査基準の設定では,総合的に勘案して減点数を設定しているが,再度整理する必要性があると考える。審査基準の公開については,どの程度まで公開することが可能か,今後検討が必要である。審査員が有する審査技術は,訓練によって審査のスピード,精度が向上する。今回の大会では,事前に模擬審査を行うことにより,大会当日の審査について大きなトラブルは発生しなかったと思われる。しかし,審査員は必ずしも審査に慣れている訳ではないため,事前の模擬審査について充実を図るとともに,審査経験のある審査員が指導するための体制を整備する必要がある。また,詳細な審査方法についてマニュアル化するなどの整備をすることが望まれる。5.5.3 来場者の声多くの来場者があったが,来場した高校生の感想として,「複雑な結線が頭に入っていて驚いた。作業は速くて丁寧だった。自分も電気工事の会社に入って,そうなりたい。」(4),「かっこいい。“安全ヨシ”の声掛けも大切な作業だと思った」,「間近で作業を見ることができ,進路を決める上で役に立つと思う」(5)など,好意的な感想が多く聞かれた。5.6 競技審査の今後の課題公平,公正な審査を実現するために,競技審査の今後の課題を,以下の①~③に示す。① 審査基準の再検討② 審査基準の公開③ 審査員の育成本稿は,第1回電気工事技能競技北海道大会の開催報告を通じ,競技審査基準の策定および審査手順6.おわりに

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