1/2017
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(a)終端抵抗値1KΩ(c)終端抵抗値10Ω図14 終端抵抗の取り付け図15 実験4における信号の流れ(b)終端抵抗値100Ω図16 実験4における内部信号波形が確認できる。この状態は,反射経路を短くすることで配線の信号品質が向上し,回路の動作が正常化したと言い換えることができる。また,実験結果を踏まえて回路動作が正常化する反射経路の長さは,回路の動作速度に依存し,動作速度が高速であるほど反射経路の長さに注意が必要であることが説明できる。3.4 実験4終端回路を対策技術として説明した上で,実験4では,終端回路のひとつである並列終端について終端抵抗の値と信号品質の関係を調べる。実験4では,図14に示したようにケーブルの先端に様々な抵抗値の終端抵抗を接続して内部信号の波形を測定する。終端抵抗は図15に示したように反射を抑制するが,図16に示したように終端抵抗は小さすぎても大きすぎても効果が低下し,ある特定の値の時,最も効果が発揮されることが確認できる。-15-3.5 実験5実験5では,最適な終端抵抗を接続した時の有効性を確認する。実験4で最も歪みを小さくすることが出来た終端抵抗を改めてケーブルの先端に接続して出力信号を計測する。終端抵抗の値が最適であるとき図17に示したように無反射の状態となり,1400mmのケーブルが接続されているにも関わらず一致を示す信号の出力を確認できる。つまり,適切な終端抵抗を接続することで信号品質が向上し,回路の動作が正常化したといえる。計測される波形を図18に示す。実習では実験結果を踏まえて,反射係数の計算式を示しながら接続されている終端抵抗の値はケーブルの特性インピーダンスと等しいことを説明し,さらに特性インピーダンスの説明へと展開する。

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