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<参考文献>掛けて調査するものであり,その建物の形や位置関係や,その空間構成を調べる。特に,神代氏のお話しを伺うと,“そこの人間関係は,祭りの時などに浮き彫りになりますね。”との事であった。これは今の東京や地方の街組でも同じである。学会の防災に関する特別委員会にも参加させて頂き,東京都の防災に関する取り組みについてヒアリングに出かけ,資料も入手し,東京都主催のシンポジウムにも参加し,その内容を学会の特別委員会の席でも発表し,後日,共著で本(rf. 文献2. 参照)も出版させて頂いた。学会の比較居住文化に関する委員会のメンバーの中には,東南アジアの特徴ある街組を継続的に調査している方々も居られる。これなども文化人類学の比較文化論の立場から,現代社会における歪みを発見するためにも,有効な方法論の一つであると考えられる。・補足説明3:今日的課題として,日本の国づくりとの関連で課題設定する場合に,一つのヒントとなるのは,「防災・減災」の観点であり,そのための技術的なツール開発である。フィールド調査の中でもふれている様に,今の世の中の様態を調査する一環として,情報収集があり,そして或る知見に到達した時点での情報発信とがある。日本の最高の英知としての日本学術会議があり,色々なシンポジウムを開催しているので,参加してみるのも良い。今回,日本の防災に関する継続的な取り組みのために,防災学術連携体〜防災減災・災害復興に関する学術ネットワーク(2016年1月9日設立)があり,多くの学会が参加している。そことの方向性を合わせる分野で,卒研テーマとしての課題設定をする事も有効な手段の一つであると考える。次世代を担う若者が,日本の将来の国づくりのために働く事を目指し,それによって世界の国々のためにも貢献して行く事が望まれる。そしてそこに,-45-1. 角本邦久:「フィールドへ出かけよう! 住まいと暮らしのフィールドワーク」(共著),日本建築学会編」,発行:風響社,2012年3月2. 角本邦久:「地震リスク評価とリスクコミュニケーション」(共著),㈳日本建築学会,2011年6月3. 角本邦久:「フィールド調査の始め方,〜茶室・民家・合掌造り・蔵造りの調査より〜」,第955回東京雑学大学講演発表,2015年7月4. 角本邦久:「桐生市における近代化遺産建築物の調査,〜近代化建築物の温熱環境の測定及びそれに基づく改善提案〜」,平成19年度総合制作実習卒業研究論文,(その1)〜(その4),指導・監修,関東職業能力開発大学校,2008年3月,(国会図書館蔵)5. 角本邦久:「東日本大震災後の日本の国造りへの指針」,(その1)〜(その3),2012年度日本建築学会,関東支部研究報告会,於:建築会館,㈳日本建築学会,2013年3月6. 角本邦久:「東日本大震災後の仮設住宅の現状と今後への展望,〜高齢者・障がい者用仮設住宅の報告〜」,紀要第17号,関東職業能力開発大学校附属千葉職業能力開発短期大学校,2012年10月7. 角本邦久:「東日本大震災の復興計画提案として〜環境配慮型ソーラーコミュニティー論の展開〜」,オーガナイズドセッション:環境に配慮したまちづくり,㈳日本建築学会(東海)大会,名古屋大学,2012年9月8. 角本邦久,共著:「希望の松メモリアルホール」と「希望の松ミュージアム」(「希望の松スクエア」)について,2013年1月,(国会図書館蔵)職業能力開発施設が担うべき,能力開発施設としての課題が見えて来ると考える次第である。***ここに実習生を初めとする実習調査に協力を惜しまなかった関係各位の方々の御理解と御協力に対して,また保存建屋の実測調査や震災後仮設住宅の実測調査に御協力下さった方々に対して,心からの感謝を申し上げる次第。

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