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図5 全国食肉学校 実習風景図6 日本調理アカデミー日本料理調理実習(魚の捌き方)図8 東京グリーンコーディネータカレッジ園芸科図7 東京都菓子学園 パン・菓子製造科パン・菓子製造実習実習風景図5は,全国唯一の食肉加工科である。訓練生のほとんどは,食肉関連業や畜産農家の後継者等である。牛や豚1頭から肩やロース等の部分肉を決められた時間内で加工できるようになるためには,個人差はあるが概ね7年程度の熟練の技が必要である。しかし,「ハム・ソーセージ・ベーコン製造」の技能検定はあるが「食肉加工」に関する技能検定はない。そこで,食肉学校ではドイツのマイスター制度にも匹敵する「部分肉製造マイスター」の資格認証制度を独自に実施している。実習で加工した食肉は,製品原料として卸売業者やハム・ソーセージ会社に販売され,運営費の一部に充てられる。そのため,食肉加工工場と同等の衛生管理のもとで実習が行われる。図6は,東京都調理高等職業訓練校(日本調理アカデミー)の日本調理科の実習風景である。訓練生の多くは,庖丁を持った経験がない。訓練生は,全員が㈱大庄グループの正社員として採用された者である。1年間の店舗実習等で実践的な経験を積み,将来は,店長や独立を目指す。-31-図7は,東京都洋菓子組合が運営する東京都菓子学園のパン・菓子製造科である。組合傘下の従業員が1年間,OFF-JTとOJTで訓練を受ける。入校者数は,新規採用者の人数に左右される。専門学校等と違い,授業料等の経費は就職先企業が全額負担する。しかし,2,3年で辞めてしまう場合もあり会社にとって大きな損失となっている。講師は,材料メーカー,調理機器メーカー等の専門家他が担当する。中でも洋菓子店の有名スタッフの講師は,あこがれの的であり人気がある。図8は,東京グリーンサービス事業協同組合が運営する東京グリーンコーディネータカレッジの園芸科である。現在44社が組合に加盟している。経営者の後継者の他,入社2,3年目の“やる気”がある従業員を対象としている。学科は,毎週土曜日に集中して行う。園芸科の技能検定として「室内園芸」職種がある。しかし,園芸は室内外を問わないので“室内”の用語を削除して欲しいとの意見もある。園芸装飾の業務は,ホテルや企業,イベント会場,個人宅などと広範囲であり,花に関する幅広い素養が求められる。

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