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職業能力開発総合大学校 基盤整備センター所 長 内田 修一先日,「技能と技術」誌編集委員会を開催し,ご多忙の中全国から編集委員の方々にご出席いただきました。用意された議題の中に「平成29年における本誌の特集テーマ」の決定があり,全委員の方々に提案をお願いしました。多くのご提案がありましたが,その中で-表現の仕方は異なるものの-全国の職業能力開発施設での取組状況という趣旨のご提案が複数ありました。委員に提案理由をお尋ねしますと,他施設の取組状況を参考にし,業務改善や実績向上につなげたいというものでした。確かに公共の職業能力開発施設において実施する職業訓練は,法令で定められた基準に則り行われているわけですが,その内容には当然地域ニーズも反映されており,訓練に使用される教材機器等は勿論のこと,利用者(受講生)の確保や指導方法,安全教育,技能伝承を含む職業訓練指導員の資質の向上などの面でも様々な取組(創意工夫)がなされているものと考えられます。そして,こういった各職業能力開発施設における取組を本誌において紹介することにより,職業能力開発業務のさらなる普及は勿論のこと,業務改善や職業訓練指導員の技能・技術の水準向上に繋がっていくことが期待されます。ところで,本誌は職業能力開発全般に関わる情報誌を標榜していますが,書名からすると恰も技術的な内容に特化した専門誌として受け止められかねません。職業能力開発に携わる方であっても,事務的な職種の方からは端から敬遠されてしまうかもしれません。あらためて「技能」と「技術」の意味を辞書(広辞苑)で調べてみました。前者の意味は「技芸を行う腕前,手なみ,技量」とあり,後者の意味は「物事を巧みに行うわざ」あるいは「科学を実地に応用して自然の事物を改変・加工し人間生活に役-1-立てるわざ」とありました。この意味からすると,確かに名は体を表すという故事もあるように,本誌は技術専門誌であるべき方が馴染むのかもしれません。しかしながら,本誌はいわゆる「技能」と「技術」に関する内容に特化して編集を行っているわけではありません。編集方針として広く職業能力開発に関する内容を提供する情報誌であることを掲げて編集を行っています。それは,職業能力開発(職業訓練)を効果的に実施し,業務改善や成果の拡大に結び付けていくためには,職業能力開発業務の運営が的確に行われる必要があると認識しているからです。したがいまして,本誌においては,技能・技術は云うまでもなく,地域の人材ニーズの把握,受講者の募集,関係機関や企業との連携などといった各職業能力開発施設での取組状況についても,積極的に紹介させていただくこととしております。この点につきましては,既に多くの読者の方々にご理解いただいているところですが,本誌に初めて目を通される方々などにおかれましては,是非ご理解,ご認識を頂ければ幸いです。(本号においても「地域の特色を生かした取組み」を特集テーマとして技能伝承や地域ニーズの訓練課題等の取組を紹介しています。)最後に,編集側といたしましては,投稿いただいた貴重な記事を多くの方々に読んでいただけるように取り組んでまいる所存です。2009年第3号(通巻第256号)からは多くの方々にご覧いただけるよう本誌を電子書籍化して,基盤整備センターホームページに掲載しております。今後も読者の皆様に向け有用かつタイムリーな情報を提供していきたいと考えておりますので,投稿や情報提供など引き続き編集に当たっての特段のご理解とご協力をお願いいたします。本誌の目指すもの

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