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<参考文献>職業能力開発施設の指導員にとって,普段の訓練指導で経験することが少ない,実践的なテーマを取り上げて活動を行う「顔ねっと機械加工」は,若手指導員の技能を向上する場,発見する場として重要な役割を果たしている。また,施設を越えて行う「顔ねっと」は,施設の人員配置におけるベテラン指導員の偏りによる若手指導員の技能伝承不足を補う役割も果たしている。今後も「顔ねっと」では技能伝承をテーマとし,動画や写真の集約,テキストの改善を繰り返し,技能の見える化に向けて取り組んでいく。熟練技能はテキストの工夫などにより可視化は可能だが,効果的な伝承方法や伝承するべき内容については未だ検討の余地がある。今後はICTを活用した指導技法や技能向上のシステム構築も行い,近畿圏のみならず組織全体,日本-8-(1)平成24年度ものづくり白書,経済産業省(2)笠原和夫・広田明彦・滝野亮人:CNC旋盤による加工での切削抵抗データに基づく加工精度向上,精密工学会誌,77,6(2011),pp.581-586.(3)Y.Kameyamaetal.,Trans.JSMEC,Vol.75(2009),pp.2456-2458.のものづくり全体での技能伝承システムを作り上げる必要があるだろう。最後に,「顔ねっと機械加工」の運営および実技で直接ご指導をいただき,加工の面白さ・技能向上の素晴らしさ・技能伝承の大切さを教えて下さった坂井利文先生,今回の原稿執筆にあたりお忙しい中,改めて「顔ねっと」に関する内容をご教授いただいた加畑満久先生,梅田良範先生,「顔ねっと機械加工」のまとめ役・事務局の前任担当として,厳しくご指導くださった高木勝規先生,引き続き「顔ねっと機械加工」での技能伝承に精力的に取り組んで頂いている藤原力先生,斉藤哲也先生,芝原寛健先生,いままでの顔ねっと機械加工の参加者全員に感謝の意を称します。5.おわりに

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