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写真7 開先面内部の融合不良写真8 最終層の運棒方法<参考文献>これまで,JISZ3841半自動溶接技術検定試験(SA-2V)における検討結果及び実技ポイントについて述べてきた。今回の検討により,フラックス入りワイヤを用いた,半自動溶接技術検定試験の実技課題の溶接に有効であることが改めて確認できた。今回の適正条件を求めるにあたっては,外観判定,曲げ試験及び断面マクロ試験を実施して評価した。評価した結果から,適正条件外では,溶落ち,アンダカット,融合不良等の溶接欠陥が生じることが判明した。実技ポイントについては,検討の際に生じた問題点を解説した。ソリッドワイヤと比較して,フラックス入りワイヤの使用電流範囲が高いことを考慮した積層法及び運棒操作の選択が必要となることについて述べた。-31-1)(社)日本溶接協会 溶接情報センター:『溶接関係の統計-溶接材料年間出荷量の推移-』<www-it.jwes.or.jp/statistics/statistics3.jsp>(2016/3/8アクセス)2)日本規格協会:『JISハンドブック40-1溶接I基本2015』P1384-13943)日鐵住金溶接工業株式会社:『日鐵住金溶接材料』(2013),P1964)寺田昌之ら:『溶接作業ここまでわかれば「一人前」』日刊工業新聞社(2015),P96-1025)(社)日本溶接協会:『実技マニュアル 炭酸ガス半自動アーク溶接』産報出版(2007),P101-103注1 顔の見えるねっとわーく:(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構に属する近畿圏内の職業訓練施設にて実施。主に,情報共有や技能伝承等を目的とする。この資料は,フラックス入りワイヤを用いた溶接施工条件に関する資料の一つになればと思い作成を行ってきた。冒頭でも述べたように,フラックス入りワイヤの使用性能の良さ等から,今後も使用割合が増していくと考えられる。それは,職業訓練の現場においても,現代の溶接ニーズとして訓練内容に取入れていく必要がある。例えば,溶接技術検定試験における実技課題や在職者訓練(能力開発セミナー)の参考資料としていただければ幸いである。今後は,他メーカのフラックス入りワイヤの溶接条件や半自動溶接技術検定試験課題についても積極的に検討を行いたいと考えている。最後に,「技能と技術」誌に投稿するにあたり熱心に指導・アドバイスをしていただいた「顔の見えるねっとわーく注1」平成27年度機械系溶接分野委員の皆様に感謝を申し上げます。7. まとめ8. 最後に

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