2/2016
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図4 立向き溶接時の溶接電流とアーク電圧の関係表2 各層の溶接ビード外観実際に溶接したビード外観を表2に示す。適正条件では溶接欠陥が無く,初層〜最終層のビード形状も良好である。低電流・低電圧域では,初層〜中間層が凸状のビード外観となる傾向が見られた。最終層のビード外観判定は合格基準を満たしている。高-28-電流・高電圧域では,初層〜中間層にて過大な溶込みにより溶落ちが発生し,最終層のビード外観においても溶落ち,アンダカットが著しく発生している。表2に対応する曲げ試験片及び断面マクロ試験片を表3に示す。適正条件では表曲げ,裏曲げ共に割れやブローホールは無く断面マクロ試験においても良好な溶込みを示している。低電流・低電圧域では表曲げ,裏曲げに割れが認められる。裏曲げについては断面マクロ試験結果から溶込み不良から生じたものと分かる。表曲げについては止端オーバラップ又は開先面内部の融合不良が起因し開口したものと考えられる。高電流・高電圧域では,表曲げに割れが認められる。最終層のアンダカットが拡大されたものである。裏曲げは,微小のピットが認められる。高電流になるほど溶着量が増すためウィ―ビングのピッチが荒くなったことが起因しているものと考えられる。なお,表2,表3における適正な溶接条件例を表4に示すので参考にしていただきたい。5. 検討結果

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