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図3ー4 開発したカリキュラムの構成充実したいと考えていることが分かった。この結果より詳細な訓練状況や意見、要望等を確認するため、アンケート調査を実施した施設の中から10施設においてヒアリング調査を行った。アンケート及びヒアリング調査の結果から、「品質管理の要素(統計的品質管理)をどのように日頃実施している直接生産分野の訓練へ取り入れるか」をグループで検討する内容を取り入れたカリキュラムを開発することとした。3.3  生産管理分野の開発生産管理分野のカリキュラムの開発は品質管理分野の開発時に実施したアンケート調査を参考にした上で、各訓練施設における訓練方法(特に直接生産分野への導入状況等)、指導方法についてヒアリング調査を実施した。ヒアリング調査は、JEEDの生産管理分野の要素に関する訓練を担当した経験のある指導員を対象に14施設で行った。以下に、ヒアリング調査で得られた意見の一部を示す。(1) 生産管理分野の訓練の実施方法・すべての工程において、「標準書・手順書」を作成している。また、工程ごとに治具を考え、不良率や歩留まり率等を算出している。・模擬製品の製作をとおして、大量生産ラインを考える課題を行っている。工程の分け方、ラインバランス調整の検討を行い、実際の作業(50個程度作成)の標準時間や速度等を計測して、1か月の生産能力を算出している。(2) 開発する研修カリキュラムへの要望・学科を中心としたカリキュラムではなく、具体例(生産管理分野の要素を扱う事例)を多く取り入れたカリキュラムを検討して欲しい。・ツールや技法ではなく、「指導員として生産現場でのQCDを学び、それを訓練生に伝えることも必要だ。」と気づけるような、目的意識を持てるカリキュラムを開発していただきたい。調査の結果から模擬製品や自動機の製作といった「ものづくり工程(流れ)」を意識した訓練を展開することで、ものづくりのためのマネジメントが必要-38-となることを訓練生に意識づけしている。また、具体的な「製品」を扱うことで、生産管理分野に対するイメージを持ちやすくなるよう、工夫していることが分かった。研修カリキュラムは、以下の3点に留意して開発した。①実際の訓練現場で取扱いやすい内容を事例として採用する②生産管理分野の技術要素と直接生産分野が密接な関係にあることに気づくことを目標とする③品質管理同様、「生産管理の要素をどの様にして日頃実施している直接生産分野に取り入れて行くか」をグループで検討する内容を取り入れる3.4  開発したカリキュラムの構成開発したカリキュラムの構成を図3-4に示す。品質管理及び生産管理のどちらも、基本・概要的な内容から研修後半で必要となる技術要素を展開する。その後、それぞれの分野において、直接生産分野への活用(適用)事例を紹介した後、直接生産分野への適用事例をグループで検討し、簡易的な指導案を作成する流れとなっている。4.1  検証の方法開発したカリキュラムの検証は、品質管理分野及び生産管理分野ともに試行研修を行い、いずれの試行研修も以下①または②に該当する指導員に半数ず4. 開発したカリキュラムの検証

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