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2014年屋根葺き替え完成 国指定重要文化財菊池家住宅(遠野伝承園)ニ上棟式として建て方を実施、若い大工職人のカッコイイ技術を披露することができた。また、刃ものとぎボランティアを80歳台の熟年技能士から18歳の大工見習いが、まつりの会場で多くの見物客を集め実施し、市民が持ち寄った包丁等200丁あまりを研ぎあげた。その収益金は遠野市に寄付しており、とおの技能まつりは市民にはなくてはならない行事になってきている。3-2 技能ボランティアと復興支援昭和の時代から当校に所属する大工・左官(遠野職業訓練協会会員)の職人は多くのボランティア活動を続けている。小学校の改修・修繕、地域センターの修理、障害者支援施設等の刃ものとぎや修理作業を実施するなど、地場で働き生きる職人の、気持ちばかりの地域貢献である。また、当校の訓練生もこれに倣いボランティア活動を実施している。平成26年度修了生は被災地の早期復興を祈願し、木造建築科は作業台を、塑性加工科は銅板折り鶴を造り寄贈することで被災地を支援した。津波で何もかも流された被災者からは「君たちは復興のエンジンだ」と復興にはなくてはならない技能者とマンパワーへの期待を込めた心からの言葉に、訓練生は心を新たにしていた。-4-平成8年当時、遠野市の原風景また観光資源であるかやぶき屋根が劣化しはじめ、かやぶき屋根を葺ける職人の高齢化が進んでいた。この技術を絶やすことなく継承していこうと国の認定訓練補助事業を活用した「短期訓練かやぶき科」設置し、かやぶき技術の習得に乗り出した。当初は実習棟の中での3坪ほどの屋根台での訓練だった。現在は当時から学んでいる大工職人が重要文化財をも施工できる技術を修得し、20代の職人もその施工技術を学んでいる。4-1 資格の整備岩手県知事認定「いわて遠野かやぶき士」更に平成21年、かやぶき職人の技術の継承だけではなく、その技術と職人のキャリアを評価する制度の創設に取り組んだ。それが「いわて遠野かやぶき士」である。後世に確かな技術を継承するにあたり経験だけではなく、施工方法を文章で、また、その葺き方を図面として表し、これらを適正に施工できる知識と経験と技術を評価し、合格者には1級また4. かやぶき技術と地産地消の取組

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