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図1 使用済み材料の再利用例図2 おがくずの有効活用例図3 木材、木質材料の炭化処理としての利用例図4 ウッドセラミックスの製造工程線工事の指導において環境に対応した指導が展開されている。ところで、5Sを実施すると、以下の様な効果(ものづくり現場で)が生まれると言われている27)。「生産性が向上する」、「最少必要な在庫にすることが可能である」、「過剰在庫が削減可能である」、「快適な職場環境を確保することができる」、「改善を通じて管理監督者や人材の育成が可能である」等の効果が表れると言われている。環境問題のキーワードに、「無駄を出さない」、「二酸化炭素の削減」、「省エネ」、「リサイクル、リユース、リデュース」等が挙げられているが、5Sの実行により「最少必要な在庫にすることが可能である」と「過剰在庫が削減可能である」の効果が表れるのは、環境問題のキーワードそのものであると言える。すなわち、環境対策の基本は、5Sを実行することであると言える。今回、これからのものづくりの指導を行うに当たり、能力開発分野に所属する指導員を対象に、環-32-境に配慮したものづくりの指導ができるためのスキルを支援する研修を計画した。この研修は、エコものづくり研究会で展開している活動を基に計画したものである。研修のタイトルは、「エコものづくり」である。平成27年8月に、職業能力開発総合大学校で実施する指導員を対象とした指導員研修である。研修の具体的な内容を、以下に示す。6.1 研修の目標環境に配慮したものづくりに対応できる人材を育成するための指導員の指導力について支援するために、「エコものづくり」研修を計画した。ものづくりを行う場合、1)再利用できること、2)再生可能な環境配慮型であること、3)人体に無害であること、4)有害物質を含まないこと等に配慮する必要があると言える。昨今の材料開発においては、リサイクル・リユース・リデュースという目的で、様々な材料が開発されている。循環型処理技術を駆使して開発された循環型機能性素材の一つに、木材あるいは木質系材料の植物系材料に補強材を含浸させ、これを焼成して得られる多孔質炭素材料・ウッドセラミックスの開発28)がある。図4は、多孔質炭素材料・ウッドセラミックスの製造工程を示す。ウッドセラミックスは、建築廃材や古紙、リンゴ搾り滓、オカラ、家畜排泄物、生ゴミなどを細かく粉砕し、これらをプレスし板状にしたものを原料として使用することも出来できるので、増え続けるごみ問題の解決の糸口として期待されている。ウッドセラミックスは、電波を遮断する等の性能を有する6. これからのものづくり指導に向けて

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