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る23)。更に、これらの職業訓練施設では、受託研究及び共同研究に積極的に取り組んでおり、それらに関する多くの事例報告が行われている。具体的には、木質系材料(間伐材、ペレット、竹等)、ソーラー、燃料電池、風力、等をテーマとした研究である24)。更には、総合制作実習の課題発表、あるいはポリテックビジョンでの発表会が開催され、環境への取り組みが展開されている。正に、若年者に環境への意識を高めさせる実学一体の指導が展開されていると推測される。他方、職業能力開発促進センターでも、環境・エネルギー分野等成長分野に関する訓練が行われている。例えば、太陽光発電システム等住宅の省エネ関連の施工に関する訓練25)、オール電化を取り入れたエコ住宅に関する訓練、そして電気自動車に関する在職者訓練等が行われている。また、その他の動きとして、エコマテリアルとLCAから職業能力開発を評価している報告26)もある。させることを目標に活動している研究会である。学問・研究分野を超えた産学官の研究者や技術者が参加し、環境に関連した研究を行っている。3.3 国際材料研究学会連合(International Union of Materials Research Societies:略称IUMRS)材料関連科学・工学分野における研究交流や世界第3極の材料研究ソサイエティ構築を目的とする国際学会である。その中に、アジア地域を中心に活動している学会、国際材料研究学会連合-アジア国際会議(InternationalUnionofMaterialsResearchSocieties-InternationalConferenceinAsia:略称IUMRS-ICA)6)があり、4年に1回、日本で開催されており、昨年(2014年)の8月下旬に福岡大学を会場に開催された。以上、エコものづくり研究会(旧セッション名:バイオマスの最近の進歩)8)-19)、国際材料研究学会連合-アジア国際会議の活動内容20)-22)、そしてエコマテリアルフォーラムから環境問題を取り巻く動きについて述べた。これらの研究会から、環境をテーマにした発表会について紹介したが、この動きは他学会等においても同様の発表会が精力的に行われている。能力開発施設における環境に関する取り組みは、職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校及びその附属校(ポリテクカレッジ)、そして職業能力開発促進センターと広範囲の能力開発施設で展開されている。高卒者を対象とした職業訓練では、省エネルギー化技術を活かした電気機械の設計や制御システムの保守・管理に対応できる実践技術者を育成する目的で、「電気エネルギー制御科」を開設し、人材育成を行っている。また、省エネルギー化や環境を考慮したシステムや製品の企画・開発から生産工程の改良・改善・運用・管理等に対応でき、生産技術・生産管理部門のリーダーとなり得る現場の中核人材を育成する目的で、ポリテクカレッジに「生産電気システム技術科」を開設(2014年度)してい-31-以上、能力開発施設での環境への取り組みについて報告した。環境問題への取り組みに対する指導の基本は、整理・整頓、清潔、清掃、躾、そして「もの」を大切にする「もったいない」と思う精神を植えつけさせることからスタートしなければならない。環境対策は5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)、そして「もの」を大切にすることが基本と言える。これからのものづくりの指導においては、「5S」と「もの」を大切にする精神を基本に展開しなければならないと思われる。図1~図3は、材料の有効利用、再利用について、居住系でのものづくり訓練を通しての指導例を示す。図1は、使用済みの材料を使っての新たな実習課題(基本作業)への取り組み例である。図2は、おがくずの土壌改良の材料としての有効利用例である。図3は、木材あるいは木質系材料を炭化処理して得られる調湿材、あるいは吸着材としての新たな使用例である。その他、居住系以外の機械系でも材料加工における指導が、そして電気・電子系でも配4. 能力開発施設での環境への取り組み5. 5Sの取り組み

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