3/2015
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以上のように、限られた条件の中で地域の方々に対して沖縄能開大の魅力を正しく伝え、認知度を高めることが最大の課題であった。2014年4月、従来の広報活動を改善することと、意思決定のスピードアップを図るために、「広報プロジェクト」が発足した。メンバーは学務課長と広報委員会の中から選出された講師3名の計4名で構成された。プロジェクトでは、まず初めに、昨年の学校案内やチラシといった広報ツールの問題点の洗い出しと、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下「SNS」と言う。)を用いた新たな広報手段の検討を行った。(1)広報ツールの問題点前年度の広報ツールはメッセージ性が弱く、デザインも魅力的ではなかった。学校案内の表紙には非日常的な学生のエイサー演舞の写真を用いていた。学科紹介ページでは実習機器や研究作品、実習風景の写真を乱雑に並べるだけで説明が少なく、沖縄能開大の設備の充実ぶりや技術の高さを十分に伝えてはいなかった。高校生が親しみやすい内容となるように編集作業の一部を学生に担当させたことにより、手作り感は出たが沖縄能開大の魅力を十分に表現できてはいなかった。また、チラシにおいては、写真の人物が小さく表情が分からないため親近感に乏しく、日程などの情報も最適化されておらず、文字の大きさに変化が無いため流れや要点が分かり難かった。そこで、メッセージ性の強い写真と紙面構成へと改善するために、プロジェクトにて検討を行った。(2)沖縄能開大LINE@の開設これまでの広報活動は、職員が高校に資料を持参し進路指導担当者に説明を行う、その後、間接的に高校生に情報が伝わることを期待していた。総務省の調査によれば、インターネットを利用す-9-る高校生は、スマートフォンの使用時間とSNSの利用時間が、他の機器やサービスに比べて圧倒的に長いと報告されている(※7)。そこで、従来の間接的な手段に加えて、高校生がスマートフォンにて最も利用するSNSである「LINE」を通じて、直接訴えかけていく新たな手法に取り組むことにした。LINEを通じて進学情報を高校生の手元に直接提供することができれば、沖縄能開大への関心は高まり、さらにオープンキャンパスに参加し能開大の魅力を理解してもらえれば、インターネットと現実世界が結び付くことで興味が強くなり、入学意思が確かなものになると考えた。LINEはLINE株式会社が運営するSNSで、2011年6月にサービスを開始した。主なサービスは、限られた友人間でメッセージを交換するテキストチャットである。日本国内の利用者は5,800万人(※8)。実に人口の45%をカバーする。特に、スマートフォンを持つ高校生においては93.9%が利用している(※7)。2012年12月にLINE株式会社は新たに、企業や公共団体から登録ユーザーに向けてオープンな情報配信ができる「LINE@(ラインアット)」サービスを開始した。2013年4月からは幾つかの大学が公式アカウントを開設し、高校生に向けて入試情報やイベント情報を配信し始めた。その1年後、沖縄能開大でも公式アカウントを開設し情報配信を始めることとなった。広報プロジェクトでは、広報ツールの改善提案と新たなページの企画制作を行った。また、LINE@を用いた情報配信に取り組んだ。(1)訴求力のあるチラシを作成チラシは高校生が最初に目にし、手に取る資料である。作成に当たり沖縄能開大と能開大生に親近感が湧く紙面構成になることを念頭に置いた。課題は、誰もが目を留める写真を撮影し、瞬時に内容を理解できるデザインにすることである。3. これまでの広報ツールと広報メソッドについて4. 広報ツールの改善と新たなメソッドの活用について

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