2/2015
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<参考文献>や就職支援を実現する仕組みつくり,そのための解決すべき課題の掘り下げにも注力して行くことが求められると考える.過日,「若者を考えるつどい2014」に参加する機会を得た.エッセイコンテスト受賞式の後,国内外から集まった受賞者達を中心に,テーブル毎のグループ討論が行われた.高校生から20代の会社員,40代のパート社員,そして私のような高年齢者まで,年齢も職業も実に多彩な顔ぶれが揃った.そして活発な意見交換がなされた.共通テーマは「若者の職業観」であったが,私は敢えて「年齢を意識しない仕事と働き方」のタイトルで話をした.少子化と高齢者雇用を意識していたこともある.若者の仕事や就職を,若者だけで考えても必ずしもいい結果が出ない可能性がある.同様に,高齢者雇用も高齢者だけの問題ととらえること自体,窮屈なことだと思った.すなわち,こうした若者に対しても,年齢を超越した高齢者の雇用について,メッセージを発信していくことが将来の可能性につながるのではないか,とひそかに期待もした.結果的に,若者から質問攻めに合ったので,少しは意義があったかな,と思っている.高齢化雇用問題の解決の糸口は,失業率・有効求人倍率の雇用指数や経済動向などのマクロ的視点から探ることに加え,現場で雇用に悩む事業主や高齢者自身,そして能力開発や就職支援など,さまざまな考え方や解決策をぶつけ合うことがとても大事だと感じている.そうした意識もあって,職業訓練校における就職支援の立場から,今後の高齢者雇用の就職支援のあり方について提言を試みた.敢えて事例報告でなく,個人的な考え方を主体に述べた理由もここにある.能力開発事業や就職支援に関わっている方々を含め,多方面の関係者から,ご意見などをいただければ幸いである.-53-1)平成26年「高年齢者の雇用状況」厚生労働省 平成26年10月30日2)平成26年度版「高齢社会白書」内閣府 平成26年6月13日3)「就職率向上に関する就職支援からの一考察」都立城南職業能力開発センター 工藤孝之「技能と技術」2014年3号 職業能力開発総合大学校5. おわりに

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