2/2015
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表1 能力評価シート(抜粋)なる省庁に属する職業訓練学校においても有効な,現職指導員能力強化スキームのモデル確立が挙げられる.2つ目の成果として,HaUIがプロセス管理手法を用いて,機械及び電気・電子職種において,新たな現職指導員能力強化研修プログラムを開発することである.最後に3つ目の成果として,HaUIと職業訓練総局に所属する訓練施設であるハノイ技能技術職業訓練短大(TTC)がプロジェクトにおけるフルタイムの協働を通じて,知識や技術,ノウハウを共有することである.2.2  短期専門家の役割今回の派遣の目的は,電気・電子職種において新たな現職指導員能力強化研修プログラムを開発するために必要な今後3年間の指導員育成計画を作成することであった.そのためには,現職指導員の能力を評価し,評価結果に基づき,現職指導員研修を実施する上で不足している技能・技術を補完するための研修を計画することと,実施上の課題を特定する必要があった.現職指導員の能力評価には,今回の派遣までにHaUIとTTCの電気・電子職種の指導員達がCUDBAS手法で作成した能力評価シートを使用した.表1に電子系で使用した能力評価シートを示す.電気系・電子系ともに設問数は39問で,ベトナム語と英語で書かれたシートを用意した.-43-3. ヒアリング調査3.1  ハノイ工業大学(HaUI)近隣職業訓練学校の能力評価及び意見聴取を行う前に,指導員能力強化研修を担当するHaUI指導員に対して,ヒアリングを行った.HaUIにおけるヒアリングは,近隣職業訓練学校でのヒアリングをHaUIの指導員とプロジェクトを共同で進めているTTCの指導員が担当できるように,ヒアリングの進め方や重要点を理解してもらうためでもあった.3.1.1  電子系指導員へのヒアリング専門家によるヒアリングの進め方としては,最初に本プロジェクトの概要を説明し,ヒアリングにより個々の能力を把握し,今後3年間の指導員育成計画に反映させることが主な目的であることを述べた後,能力評価シートを使用しての調査を行った.能力評価については,5段階の評価基準について具体例を挙げ説明し,評価項目毎に補足説明を加え,正しい評価が行われることに細心の注意を払い進めていった.ヒアリングの最後に,受講を希望する研修内容について意見を求めたが,多くの指導員が全ての技術を学ぶことを希望しており,優先度の高い研修を把握することが困難であった.

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