1/2015
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図4 ローラギヤカムのタイミングチャート技能と技術 1/2015図5 カム動作曲線図6 ローラギヤカムの鼓形カムの3次元モデリング⑥… このスプライン曲線をもとにCAD上で鼓形カムの3次元モデリング行う。⑦… モデリングを基に5軸CAMを用いてNCプログラムを作成する。⑧… 5軸マシニングセンターによりバレルカムの鼓形カムの加工を行う。 初めに①でハンド部の回転とリフトのタイミングチャートを作成する。図4に今回製作に用いたハンド部のタイミングチャートを示す。ハンド部が回転する直前にはハンド部が上昇し,ハンド部の回転後に降下させている。タレットの回転角0度と60度の間を間欠して往復運動し,ハンド部のリフト量は35mmとなっている。 図4のタイミングチャートの曲線をそのまま用いてカム設計すると,カムに従動して可動するタレットやリフト用レバーに加速度または角加速度が発生し,カムの回転に大きな力やトルクが必要となる。さらにカムに従属して移動する部材がジャンピング現象を生じたりするので,図4のタイミングチャートにカム曲線を適用して用いる。 カム曲線として多くの曲線が提案されているが1),今回は,最もよく使われており,モータの変動が小さい滑らかな動作が得られるNeklutin作変形正弦曲線を用いていた。このカム曲線を適用すると,図5のカム動作曲線を求められる。-28- 図5のカム動作曲線から駆動軸の回転角θとタイレットの回転角τ求め,⑵式からローラギヤカムの溝の中心位置を算出し,3次元CADに点データを取り込みスプライン曲線として求めると,図6のようにローラの中心の閉曲線を求めることができる。これをもとにローラギヤカムの鼓形カムをCAD上に描くと同図となる。この3次元のCADデータをもとに5軸用のCAMを用いて5軸のマシニングセンターのNCプログラムを発生し加工を行った。 次に,このNCプログラムを用いて実際に5軸マシニングセンターで加工している様子を図7に示す。このマシニングセンターは,チャックの回転軸に制限はないが,チャックの揺動軸が左右約200度までである。そのため,1回のチャックですべての加工ができないので,ワークを反転して2度の加工を行っている。ただし,鼓形カムの溝加工以外の鼓形の加工は,NC旋盤で前加工しておくと大幅な時間短縮となる。

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