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  R= …………⑵C−D cosτ003.1 ローラギヤカムD sinτ図3 ローラギヤカム機構の構造4.1 ローラギヤカムの設計と製作手順「設計と加工手順」① ハンド部の回転のタイミングチャートの作成。② 滑らかな間欠運動等をするためカム曲線の選定。③… ①のタイミングチャートにカム曲線を適用し,3.ローラギヤカムの構造と理論4.ハンド部の設計と製作 ローラギヤカムの機構は,図3のように鼓の形状にリブを巻きつけたような形状の鼓型カムと,そのカムから出力を取り出すタレットから構成される。タレットの円筒面上にカムフォロアを配置している。鼓型カムの凸部(リブ部)をカムフォロアで挟み込み,駆動軸である鼓型カムの回転運動をタレットに運動を伝える。この鼓型カムの形状により,タレットの一方向への回転運動だけでなく揺動運動,間欠運動なども可能にする。 ローラギヤカム機構の鼓型カムの形状は,駆動軸の任意の位置(回転角θ)において,従動軸のカムフォローの中心位置(回転角τ)が決まれば,図3のようにカムフォロアの位置Pを決定することができる。各回転角θに応じてP点を求め,それらを結ぶと,カムフォロアの通過する閉曲線を描くことができる。そこで,初めに従動軸がτ回転した時のカムフォローの位置ベクトルEを求めると,式⑴のように求めることができる。  C:軸間距離   D:カムフォロアの回転半径  τ:カムフォローの回転角   E= …………………………………⑴-27- カムフォロアの位置ベクトルEは,回転角τによって決まり,回転角τは駆動軸回転角θによって決まることから,カムフォロアの位置ベクトルEをθの回転角に応じて座標変換すると,カムフォロアの移動する閉曲線は,式⑵で求めることができる。 式⑵を見ると,溝の中心軌跡は直交XYZの3軸と回転2軸で決まるので,ローラギヤカムの加工には5軸(直交3軸と回転軸2軸)のマシニングセンターが必要となる。… なお,従軸の回転角θとカムフォローの回転角τの関係は,次項で説明する装置のタイミングチャートから導かれるカム動作曲線から求められる。 ハンド部のローラギヤカムの設計・製作は初めに装置のタイミングチャートからカムの動作曲線を求め,3次元CADシステムを用い,図3のような鼓型カムを3次元でモデリングする。その後,5軸対応のCAMシステムでカッターパスを作成し,5軸のマシンニングで加工を行っている。したがって,3次元CADシステムと,5軸対応のCAMが必要となる。 具体的には次の製作手順となる。カム動作曲線[φ=F(θ)]を作成。④… カム動作曲線を式⑵に適用し,バレルカムの溝の中心位置の点群データ算出を表計算ソフトにて行う。⑤… 3次元CADにこの点群データを取り込み,CAD上でスプライン曲線を作成する。0 1 0 0 cosθ sinθ 0 −sinθ cosθD sinτC−D cosτ実践報告

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