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岐阜職業訓練支援センター幾瀬 康史図1 Pick&Place装置のハンド部の構造-26-図2  Pick&Place装置のハンド部1.はじめに2.Pick& Place装置のハンド部の機構 メカニカルPick&Place装置(以下,「Pick&Place装置」と呼ぶ)は,機械加工,機械的機構,機械要素などを学ぶ機械系の訓練科において総合的な訓練教材として,ものづくりの面白さをかき立て,訓練の動機づけとして優れていることから,『技能と技術』2014年第3号の「『おもしろ機構』工作室Ⅴ」で,その設計と製作について報告を行った。前回は立体カムを用いたメカニカルPick&Place装置の概要と,それを構成するインデックスバレルカムの機構を利用したインデックテーブルについて報告した。 今回,このPick&Place装置のもう1つの構成要素であるハンド部を制御する装置について報告する。ハンド部は,ローラギヤカムと平面溝カムを用いて回転運動とリフト運動との複合運動を行う。本装置を構成するローラギヤカムも,前回のバレルカムと同様に,5軸のマシニングセンターで加工が必要となる。このカムの加工は5軸のマシニングセンターの訓練課題として見ても,非常におもしろい課題である。 図1にPick&Place装置のハンド部の構造を示し,図2に製作したハンド部を示す。図中のセレーションの軸は,回転運動と軸方向の直線運動を同時に行うことができる軸である。ハンド部はハンドの回転技能と技術 1/2015運動と上下のリフト運動を必要とすることから,軸にセレーション軸とそのセレーションナットを用いることで,可能にしている。そのナットは,カムフォロアを取り付けたタレットと一体化して用いることで,ローラギヤカムの回転運動を直交するタレット軸に間欠運動を伝えている。ハンド部の上下リフト運動はローラギヤカムの側面に取り付けた平面溝カムによりリフト用レバーを揺動運動することで可能にしている。-立体カムを用いたPick&Place装置の製作 その2-「おもしろ機構」工作室Ⅵ

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