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図17 バイリニアモデルの比較表1 壁せん断試験-5-<参考文献>他機関と連携した取り組み1蔵壁については修復後の評価を実施したいと考える。合板を使用した補修壁については告示に示される面材の壁倍率としては若干小さな値となっている。この結果は,通常面材は柱,梁,土台の間に隙間なく施工されるが,本研究においてはめり込みの影響を検討するために面材と柱,梁,土台の間に約2cmの隙間を設けたため,圧縮筋かい効果を得られなかったためである。4.おわりに 本報告において,共同研究を通した伝統建築物の維持保全に関する産学官の取り組みについて紹介した。関東能開大居住系では構造的な検証において,施設をほかの学校や民間企業に有効利用していただいている。また,その利用を通して学生のヒューマンコンセプチュアルスキルの育成に大きくつながっていると考える。さらに,専門課程と応用課程を通じた実験への取り組みで学生の専門性が育成され,1) 日本建築学会学術講演「栃木市に現存する伝統的建造物の地震被害および耐震性に関する研究」pp.149–150,20122) (財)日本住宅・木材技術センター「土塗壁・面格子壁・落 とし込み板壁の壁倍率に係る技術解説書」p.25,20043) 日本建築学会学術講演「歴史的町並みの地震防災対策に関する研究:その3 土塗壁(木造民家真壁タイプ)の損傷評価とエネルギー吸収性能」pp.465–466,20134) 日本建築学会学術講演「歴史的町並みの地震防災対策に関する研究:その1 研究目的と土塗壁の構造性能検証実験計画」pp. 461–462,20135) 日本建築学会学術講演「歴史的町並みの地震防災対策に関する研究:その2 土塗壁(木造民家真壁タイプ)の実験方法および耐力評価」pp.463–464,20136) (財)日本住宅・木材技術センター「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」pp.565–578,2008応用課程へ進学した際に高度な課題への取り組みにつながるケースもある。また,「とちぎ蔵の街職人塾」の参加企業様には平成25年度においては関東能開大応用課程学生の企業実習にもご協力いただいた。今後,学生の就職等で技能者の育成の観点など地域に根付いた大学校として社会貢献したいと考える。5.謝辞 「とちぎ蔵の街職人塾」代表の山本様ならびに試験体の製作に携わったすべての方々に,さまざまな点でご助力いただき感謝申し上げます。また,実験に際し,ご協力をいただいた学生の方々に深く感謝の意を表します。

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