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5.3 阻害要因とそれを乗り越えるための工夫5.4 制度の活用による具体的な効果5.5 本事例のまとめ技能と技術 4/20143)毎日,訓練日誌を提出させ,実習した内容に基づいて評価責任者が検認し,弱い部分を指摘するとともに,小さな行動1つでも良いところは徹底的にほめた。 4)訓練計画表に毎日の計画時間と実施時間を記録した。 5人の訓練生は,これまでパート社員として勤務していますが,その業務内容と習得状況が人によって違うことに加え,当社で有期実習型訓練を実施するのは初めてでしたので,到達目標を設定するに当たっては,ベースとなる訓練カリキュラムのOff–JTの科目や時間数の編成などに大変苦労しました。また,どのような評価シートにするかについても苦労しましたが,いずれについても,訓練コーディネーターの方の的確なアドバイスを受けましたので,計画どおりに作成することができました。 今回の有期実習型訓練を活用した経営者サイドとしての感想は,以下のとおりです。⑴ 具体的な訓練実施計画を作成したことにより,今後の人材育成のために継続して活用できる。⑵ 評価シートや訓練日誌により,訓練生の育成結果を確実に把握できた。⑶ 徹底した社員教育の必要性を再確認できた。⑷ 教育に当たる正社員や他の部署の正社員の刺激になり,事務所全体の雰囲気の変化につながった。⑸ 訓練生のためのOff–JTを実施することにより,挨拶や電話応対などの効果が明らかに出た。⑹ 教育内容や手順の見直し,人事考課の仕方など,不足していた点を補うことができ,実行できる内容が満載なジョブ・カード制度は,非常にためになる制度である。⑺ できる人材の育成という観点のみで活用するのでは,非常にもったいない。訓練生自らが前-44-向きに考えて取り組む,いわゆる「人財」の育成というものも加味していけば,より価値が上がる制度である。 また,短期間で教育を受けるという内容が濃いものとなったため,訓練生は,少々ハードルが高く感じたと思われますが,訓練終了後のキャリア・コンサルティングにおいては,「この研修で学んだことを土台にしてさらなる発展を図りたい」「わからないことが学べ,会社の現状や今後の方針を知っただけでなく,自分の役割が認識できた」「仕事の流れを理解し,身に付けることができて本当にうれしい」などと,この訓練を受講しての感想がキャリアシートに記述されています。 従来は,3ヵ月間の研修を経て正社員に登用していましたが,この訓練を活用したことによって,これまでと同等以上の訓練を実施できたと思います。訓練の終了後,受講状況や評価シートの内容などを判断し,5人の訓練終了者に対しては,全員を正社員に登用することで個別に打診しましたが,3人の方は,諸事情により断念されました。この3人には,引き続きパート社員として継続してもらっています。 さらに,訓練に対する国からの助成金もあるジョブ・カード制度は,今後も取り入れていくとともに,この訓練カリキュラムや評価シートを当社の人材育成の貴重な財産として,いつでも実行できる企業に創りあげていきたいと考えています。 この取り組みについては,平成24年7月19日開催の「ジョブ・カード制度 企業説明会」2)(参加者100人)において,企業導入事例として同社本部長の佐々木宏氏より発表していただいた。 参加者からは,「業務が専門化するなかで,ピンチヒッターの重要性を感じられ,ジョブ・カード制度を活用して社員教育に取り組むことで,多岐にわたる効果が得られたことが大変よくわかった」「女性社員の教育方法が参考になった」「女性や非正規労働者の労働力の向上を目指す貴重な事例であっ

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