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1.はじめに2.企業の人材育成・確保に向けた課題とは広島商工会議所今村 榮一 広島商工会議所では,平成20年6月より日本商工会議所より業務委託を受けて,「ジョブ・カード制度推進事業」をスタートし,平成24年度で5年目を迎えた。 この間,全国112ヵ所の地域ジョブ・カード(サポート)センターの設置商工会議所では,採用意欲のある中小企業での人材育成・確保に向けた取り組みを支援するために,ジョブ・カード普及サポーター企業を開拓し,そのうち,雇用型訓練(有期実習型訓練,実践型人材養成システム,若者チャレンジ訓練)の実施を希望する企業に対しては,訓練実施計画書や評価シート,申請書類の作成,助成金や奨励金の支給申請に当たってのアドバイスなどを行ってきた。 こうした活動により,ジョブ・カード制度推進事業がスタートした平成20年度からの累計では,ジョブ・カード普及サポーター企業数は76,159社(広島県1,455社)となり,このうち雇用型訓練を終了した企業1)は20,724社,訓練修了者34,974人の81.3%に相当する28,434人(広島県559人)が正社員として採用された。このため,雇用型訓練を実施した企業ならびに,正社員として採用された元訓練生からも高く評価されており,この事業は,非正規労働者の正規雇用化の促進に大きく貢献しているといえる。 本稿では,前号(『技能と技術』誌277号pp.9-13)に引き続き,この雇用型訓練の「有期実習型訓-41-練」に取り組んだ企業の潜在的な悩みや課題を明らかにし,併せてジョブ・カードを活用したキャリア形成支援による課題解決のプロセスとその成果・効果に関する実践事例を報告する。 これまでの取り組みで把握した企業の悩みや課題は次のような点である。なお,詳細については,前号を参照していただきたい。(悩み) ① 採用に関する悩み ② 正社員化に向けた悩み ③ 教育訓練や仕事の評価方法の悩み(課題とその対応)・良い人材確保の仕組みづくり・社内の仕事内容の明確化と非正規社員と正社員・仕事の評価方法の見直し・人材育成とあいまった社員個々が保有する職業・人材育成の見える化・人材育成の指導者として担当できる者の育成・国の支援制度の活用方法 これらの課題解決のために,ジョブ・カードセンターのアドバイザーによる制度導入のアドバイスと登録キャリア・コンサルタントによる雇用型訓練の受講者に対するキャリア・コンサルティングの支援の違いの見える化能力の見える化実践報告活用した会社と社員の活性化②-キャリア形成支援に関する取り組み-目からウロコ! 新たな人材育成の仕組みを

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