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写真2 高大連携(技術技能研修)の様子技能と技術 4/20143.高校訪問,企業訪問のなかから4.高大連携の模索5.新たな高大連携の枠組み 昨年度,施設長等を中心に,これまで当大学校への入校者が比較的多い県内の高等学校を対象に訪問(いわゆるトップセールス)を行いました。 その結果,仙台圏の高校を除いた県南部や県北部の高校の多くは,少子化に加え,中学校を卒業し仙台圏の高校へ進学する生徒が年々増加し,定員の確保が難しくなっていること,さらに,高校卒業後も仙台圏や関東の大学や専門学校等へ進学や就職するなど,若者が地元に残らず都市部へ流出している現状がわかりました。 さらに,当大学校が所在する栗原市においても,少子化や人口流出による小・中学校の統廃合が進むとともに,市内の中学校を卒業しても市内の高校に進学せず,隣接する大崎市や仙台圏の高等学校へ進学するケースも増えて,市内の高校の定員充足率が下がり,さらなる高校の統廃合が懸念されています。 一方,事業主支援のニーズ把握の一環として,県北部の事業主等を訪問するなかでは,地元で育った優秀な人材が仙台圏や関東へ流出し,地元の企業に就職する若者が年々減少し,経営者の多くが,将来の人材確保・経営に危機感を募らせているとのことでした。-14- 施設長等と栗原市内の県立高校を何度か訪問するうちに,栗原市内の県立高校4校による「栗原市内県立高等学校長会」が組織されていることを知りました。幹事校(宮城県築館高等学校)の校長と懇談し,当大学校における産業人材育成と栗原市内の高校における教育について意見交換を重ねたところ,互いにそれぞれの役割・機能について理解を深めるなかで,高校生のキャリア形成を含めた進路(進学,就職)について連携・協力することの重要性について認識するようになりました。 さらに,栗原市内の小学校,中学校,高校,特別支援学校および教育関係者で構成されている「栗原市学校教育連絡協議会」も運営され,「地元の子供達を地元で育てよう」の掛け声のもと,小学校,中学校,高校間の接続教育の充実を図る検討・議論も行われていました。 一方,当大学校においても,企業訪問するなかで,地域産業界から求められる産業人材(学生像)の育成,当大学校における教育訓練内容の充実,産業人材育成の地域の拠点の大学校として,地域の事業主の要請を受け,産業人材の育成を通した地域産業の活性化および当大学校の教育訓練の充実・活性化を図る試みも動き始めていました。 昨年度1年間をかけて,当大学校の特徴を生かした高大連携のあり方を模索してきた結果,平成26年3月27日,栗原市内の県立高校4校と高大連携協力協定を締結することができました。 一方,事業主支援の取り組みとして,県北部・東部地域の事業所を訪問するなかで,多くの経営者から,従業員の教育訓練による能力向上や中核的な従業員の育成の工夫のみならず,地元の優秀な学生を地元に定着させる工夫も必要との声も多く寄せられ,県北部・東部地域の事業主,教育機関,行政機関を構成メンバーとし,教育訓練の充実と地域産業

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