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の就職就業等の都合上やむを得ない処置であった。「機械製作実習」を平成24,25年度にかけ2サイクルの訓練を行い,訓練の展開方法,改善点,成果などが明らかになったので,ここに報告する。なお,図1に完成した課題「ボールねじ駆動一軸テーブル」や支給した「製作図面集」,「測定・検査指示書」など教材一式を示す。また,図2に「ボールねじ駆動一軸テーブルの組立図」を示す。2.動機 加工の良否は生産の品質,コスト,納期に直結し,また,加工を知らないと良い設計ができないとか言われ,加工は生産活動において最も重要なものになる。 生産技術科で習得する加工は主に金属加工であり,切削加工が主たる対象になる。製品側に近い加工のため,形状の寸法精度や加工精度の要求レベルは高い。このため,製品や成果品は加工者の加工と測定の技術・技能レベルを写し出す鏡になる。 標準カリキュラムの加工・工作(数値制御関係を技能と技術 2/2014-28-除く)と測定に関する実習科目は,「機械加工実習(8単位)」,「機械工作実習(4単位)」,「測定実習(4単位)」であり,学科目は「機械加工(2単位)」,「機械工作(2単位)」,「精密測定(2単位)」となっている。  平成23年度までは製品(課題品)を加工する実習は旋盤加工作業のみであり,ほかは工作機械の取り扱いや基本加工作業,測定においても測定工具の取り扱いや基本測定,スケッチ作業であった。これは,標準カリキュラムでは機械工学,機械加工・工作,CAD/CAM,機械制御など広範な分野の科目が定められ,また,工作機の数量制限のため基本作業の指導にとどまっていた。このため,本科を修了する時点で“形づくることはできても,製品はつくれない”,“寸法精度と加工精度を意識できない”,“加工するイメージができない”などのレベルであり,訓練目標である実践技術者の育成には未達であった。 新入社員時代に厳しい上司から“こんな加工もできないのか”と言われ,悔しい思いをしたとこぼす修了生がいた。当然ながら,これまでのカリキュラムでは基本作業の習得だけであり,現場で製品とな図2 ボールねじ一軸駆動テーブルの組立図

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