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・企業内訓練の期間・時間 企業内訓練の実施期間は原則として3~6週間としています。施設内での職業訓練状況から新たな環境に慣れ,当該訓練生の力が十分発揮できる期間を設定します。また実施時間は可能な限り,就業時間と同じにします。しかし,通勤や新しい環境に慣れるまで,かなりの負担がかかると考えられる訓練生に対しては,短時間から開始し,徐々に時間を延長するなど段階的な時間設定を行うといった個別の配慮が必要になります。 事前に打ち合わせた内容で企業内訓練実施計画書を作成します。企業内訓練実施計画書の例を図3に示します。特性について事業所担当者に説明を行い,指示者や指示の方法,休憩場所や時間なども細かく決めておきます。 また作業環境についても,障害特性に応じた機器等を準備しておく必要があります。さらに早く作業内容や環境に慣れるため,職場の配置図や作業手順書,チェックシートなどを作成することもあります。-16-⑵ 職務に合わせた事前訓練の実施 企業内訓練を始めたときに,スムーズに職務に対応できるよう事業所との打ち合わせで決めた職務内容に応じた事前訓練を実施します。事前訓練を実施するためには,指導員が作業内容を分析し,実際の職務に近い教材を作成します。使用するソフトやバージョンについてもできる限り事業所に合わせて訓練を行います。事前訓練では,企業内訓練で必要となる技能を習得するだけでなく,休憩のタイミング,ミスのない作業をするための方法,必要な機器なども併せて確認します。⑶ 企業内訓練の実施 事前に打ち合わせを行ったスケジュールと職務内容で企業内訓練を実施します。初日は訓練生も事業所側も戸惑うことが多いため,始業時間から指導員も同行します。その際,職務内容や配慮事項などを再度確認したうえで,訓練を開始します。訓練生自身が職務に対応できているか,施設内訓練で身に付けた補完方法を活用できているか等を観察します。また事業所側へは職務に対応できているか,指示出しや声かけなどの対応方法で疑問や戸惑いを感じることはないか担当者に確認し,必要に応じて対応方法について助言を行います。 以後の訪問については,訓練生や事業所の状況を見て判断しますが,期間中の休日の前後にはできるだけ訪問し,状況を確認します。訪問しない日についても電話で聞き取りを行うなど実習の状況把握に努めます。 企業内訓練最終日には総括を行います。訓練生からは企業内訓練の感想と自己評価を聞き取り,同事業所への就職を希望するかを確認します。事業所からは企業内訓練全般を通しての評価をしてもらいます。訓練生が同事業所への就職を希望している場合には,その希望を伝えたうえで事業所から採用の見通しについて確認します。図3 企業内訓練実施計画書サンプル技能と技術 2/2014

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