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図1 仕上がり像の整理技能と技術 1/2014かじめされておらず,各校における標準外科目において,学科試験免除の対応をしているケースが多い。③ 環境やエネルギーに関する授業内容については過去に標準のカリキュラムがほとんどなく,担当できる職員が少ないことが予想される。 まず,①については,検討当初より環境・エネルギーのイノベーションに対応できる人材として,4年間で必要な習得すべき技術を選定し,その後,専門課程の2年間での仕上がり像,および応用課程も含めた4年間での仕上がり像を整理し,平成23年3月に専門課程の「電気エネルギー制御科」と応用課程の「生産電気システム技術科」の設置についての省令改正を同時に行っている。 ②については,電気関連新科の設立申請時に「技能照査の基準の細目」を作り,技能検定の4職種について,標準カリキュラムで学科試験免除が取れるように方向性を出し,その後のカリキュラムの詳細決定の根幹とした。 ③については,標準カリキュラムや標準シラバスを検討していくうえで,担当職員にとって新たに必要であろう内容について,研修コースを職業能力開発総合大の先生を交えて検討,計画を行った。 前述したように,今回の電気関連新科の立ち上げに関しては,当初より専門課程から応用課程まで4年間でどのような人材を育成するのかを考え,専門課程で卒業する学生にも仕上がり像を作るよう検討を加え,それぞれの仕上がり像を図1のように整理した。 専門課程である「電気エネルギー制御科」では,ものづくりの現場である工場や事業所その他における電力管理やエネルギーの有効利用に関する計画・実施・評価・改善を行える人材,および省エネルギー化を考慮した自動機械の設計や製作ができる実践技術者を仕上がり像とした。 また,応用課程である「生産電気システム技術科」では,専門課程の「電気エネルギー制御科」で育成-8-された実践技術者および企業に在職する技術者等を対象に,企画・開発技法や生産管理技法およびプロジェクトを管理し推進する能力を付加して,環境や省エネルギー化を考慮した工場自動化システム,電気自動車等の駆動システム,自然エネルギー利用システム等の新たな製品やシステムを企画・開発から設計・製作・評価ができるとともに「ものづくり現場を担う将来のリーダ」として環境・エネルギーに関するイノベーションをリードする人材を仕上がり像とした。 つまり,専門課程の「電気エネルギー制御科」および応用課程の「生産電気システム技術科」共に,現在の既存の技術者にプラスアルファの要素として,これからの技術者として求められる省エネルギー技術や新エネルギー技術に対応できうる能力も仕上がり像として盛り込んでいる。 図2に上述の仕上がり像を実現するためのカリキュラムの概要を示す。 専門課程の「電気エネルギー制御科」では,上述のように標準カリキュラムとして,基礎系学科および基礎系実技のカリキュラムには従来の電気・電子系のカリキュラムを取り入れ,専攻学科および専攻実技には電気機器や電力関連のほかシーケンスや制御関連のカリキュラムをできる限り取り入れ,さらに環境エネルギー関連のカリキュラムを付加することとした。 そのため標準カリキュラムの全体に占める割合が3.仕上がり像の検討4.標準カリキュラム

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