4/2013
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青森県産業技術センター 工業総合研究所岡部 敏弘(はじめに) 循環型社会は,できる限り地球資源を大切に使い,ゴミを出さないようにさらに出したゴミはできる限り再利用しようとする社会である。年々,温暖化現象が進んでいくことが想定されるが,そこで,どのような取り組みが必要であるかを考える,身近なところより取り組む必要がある。そして,循環型社会をいかんに構築するかにかかっている。そのためには,減量化(Reduce),再使用化(Reuse),再資源化(Recycle)は,これはわれわれがやっていかなければならない新しい製品の原材料として使用する(マテリアルリサイクル)や燃やした際に出る熱をエネルギーとして利用する(サーマルリサイクル)の研究や開発が必要である。(環境にやさしいモノづくり) 循環型社会において,モノづくりのあり方は,徐々に変わってきている。これまではモノを作る立場の人=生産者も,買う側としての消費者も,大量に作られる新製品を売り買いすることを中心に考えながら生活していた。循環型社会では,生産者は製品の生産や使用についてだけでなく,その製品が販売されて廃棄されるまでの間,総合的に責任を負うことを意識するようになる。そのため,環境にやさしいモノづくりに必要な新しい技術の開発も進み,企業の活動そのものが大きく変わっていくことになる。環境への影響が少ないように考えて作られた製品を環境配慮型製品と言う。-1- 具体的には,① 使用済みになったときに分解・再使用しやす② リサイクルしやすいよう単一素材を使用する③ 有害物質を使用しないこと。④ 生産および使用時のエネルギー消費が少ないなどがあげられる。 また,こうしたことに配慮して製品を作る手法を,環境配慮設計やエコデザインと言う。 環境配慮型製品では,壊れにくい,壊れたときに修理しやすいなど,製品を長く使えるような配慮も大切になる。これは製品を売って利益を上げる企業活動と一見矛盾するようにも見えますが,人々が環境のことを考えて製品を選ぶ循環型社会においては,こうした製品づくりが当たり前となっていくのである。(循環型社会の構築) 環境にやさしいモノづくりを進めていくために,生産者としての企業は環境への負荷を減らすことのできる,新しい技術やシステムの開発をしていく必要がある。限りある天然資源が失われることを防ぎながら,1つの製品が人々の間で持続的に活用されるように工夫を続けていくことが大事なのである。循環型社会に向けたバイオマス資源を用いた循環型処理技術の事例を紹介したい。いこと。こと。こと。この人のことばこのの人ことば環境にやさしいモノづくりによる循環型社会の構築—バイオマス資源を用いた循環型処理技術の開発—

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