4/2013
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 練習は主に授業終了後の放課後,ならびに週末である。本大会は加工精度,加工時間,見栄え,嵌め合わせ寸法などを採点基準とするため,使用工具(正面フライス,エンドミル),測定機器類などは慎重に検討した。図13に本大会で使用した使用工具および測定器類を示す。正面フライスは日常当校で使用しているものをそのまま用い,チップ材質はサーメットを採用。エンドミルに関しては,総合的な作業効率向上をねらい乾式切削を採用したことから,耐摩耗性に優れたコーティングとして評判のよい三菱のバイオレットコーティングエンドミルを採用した。C7面取り部の加工に際し標準的なVブロックでのチャッキングでは不安定であるため自作のVブロックを製作し対応した。測定器類に関しては,加工時間や加工精度を重視するためカウンター式マイクロメータ(MITSUTOYO製)を用い,またノギスは作業時間短縮のためデジタルノギスを採用し-27-た。作業効率をねらいマイクロメータスタンドなども自作で対応した。六面体の直角度を効率的かつ安定的に作業できるよう厚さ10mmのスコヤを使用。平行度も重視しFUJITOOLのSTEEL PARALLELSを使用した。 競技前日である7月31日の午後1時に会場入り,その後に抽選,工具展開を行い競技の事前説明,試し削りを行った。抽選は順番にトランプを引きそのトランプの順にもう一度トランプを引きその番号の機械を使用する。試し削りのルールとして,本削りで使用する材6面体の1面のみを切削することが可能である。会場のフライス盤(大隈豊和機械STV-2V角ねじ仕様)を使用するのは初めてのため操作方法を熟知できるよう心掛けた。試し削りにおいて特に勾配部の荒削りを重点的に行った。それは勾配部に関して当校がボールねじ仕様のためバックラッシが0.02mm程度しかなくバックラッシを考慮する必要はなかったが,会場のフライス盤は角ねじ仕様のためハンドルのバックラッシが0.7mmもあり,アップカットの部分をダウンカットで切り込みを入れると歯車のバックラッシ分がワーク(材料)に入り込んでしまいエンドミルが折れてしまうからである。 競技当日8月1日は8時30分に集合し,9時から本削りが行われた。競技の様子を図14に示す。実際の加工ではさまざまな問題点が発生した。横送りのハンドルが重く荒削りの時間が練習時の1.5倍時間4.2 使用工具および測定器類の選定図12 フライス盤職種競技課題組立状態(2種類)図13 フライス盤職種使用工具および測定器類4.3 結果報告図14 競技の様子ものづくり人材の育成に向けた取り組み2

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