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 どの案を採用するか決めるため,ラフスケッチをもとに3次元CAD(Solid Works)を使用して,図39〜41のように各案のモデルを作成し,必要部品を洗い出した。さらに,部品点数,金額を比較した。 その結果,精度を期待できコストパフォーマンスの良いB案を採用した。⑦-2 設計 治具の設計に当たり,治具の信頼性を向上させるためデザインレビューを行った。まず,B案の機構でも穿孔することができるのか必要せん断力の計算を行った。・せん断抵抗値の計算(kgf/mm^2)   =引っ張り強さ×0.8   =77×0.8=61.6MPa≒6.3kgf /mm^2・必要せん断力の計算(kgf)   =せん断抵抗値×抜き形状の全周長×板厚   =6.3kgf/mm^2×4.7mm×0.3mm≒8.88kgf この式から今回1つのパンチにつき,8.88kgfのせん断力を必要とすることがわかった。この程度の力ならB案の機構でも,十分穿孔できることが証明された。また,パンチの径から適正クリアランス値を計算し,ダイの穴寸法の大きさを決定した。ダイ穴直径の計算(mm)   =パンチの直径+(板厚×0.05)   =1.55mm+(0.3mm×0.05)≒1.58mm 今回の治具製作において重要となるこの2点の結果をもとに,必要となる部品の寸法や材料の決定,A案5498B案10175C案43200-17-購入部品の選定をした。さらに,部品の形状を決定した後,不安と思われる部品に対し図42に示すようにCAEを用いて応力分析を行った。 ここで3次元CADを用いて,寸法が決定した部品をモデル化しアセンブリしたものを動作チェックしたところ問題がなかったため,治具の試作に移ることにした。⑧治具の製作 製作した治具を図43に示す。 直動カムを移動させ,Eリングで固定されたヒンジピンを下げる。それと同時に,ヒンジピンと正接で接しているパンチの頭が押されパンチが下がるという構造である。しかし,実際に動作をさせてみるとヒンジピンを固定しているEリングが干渉するため,動作しづらいことがわかった。 そこで,バネによって常に上に挟まれているため,図44に示すように左右を固定する機構とするた図41 C案のモデル表3 部品点数とコスト現状100100部品点数コスト図42 CAEによる解析図43 完成した治具ものづくり人材の育成に向けた取り組み1

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