4/2013
14/51

⑫-2 運転画面 運転画面は図23に示すように,濡れた手で操作しても大丈夫なようにタッチパネルとした。⑬本人の感想 ウニ殻剥き機や破砕機の設備開発について,VE手法により設計から製作までの一連を実践したことにより,部品展開から機能展開図を作成し,必要な機能の分析を行い,TT-HS法により具体的な革新案の抽出・革新案の評価・決定・革新案のレビューへと発展させる一連を実際に経験できたことや,これまではイメージをラフスケッチにするといった経験もなかったが,何となくではあるが職場に戻って仕事に生かせると自信が持てた。 また,その過程で全く未知の分野であった3次元CADやCAE技術,電気回路に関して1年間という短期間でPLC技能検定2級レベルまで修得できたことは非常に大きな財産となった。 今回の専攻科への派遣を通して身に付けた知識,-12-技術を生かし,企業内だけではなく地域のモノづくりリーダーを目指し復興に貢献したい。テーマ:「エンボスキャリア成型機の段取り時に発生する不良の分析とVE手法による革新案の選出」①はじめに 陸中海岸のほぼ中央に位置する山田町にある株式会社エフビーに,短大課程から専攻科に進学し就職した者が取り組んだテーマである。 山田町は山田湾と船越湾の2つの湾を擁し,中心的産業としてはリアス式海岸を利用した養殖を中心とする漁業が盛んな町であるが,山間部を中心に中小工場も稼働していた。 山田町では死者600名,行方不明者150名,死亡認定者150名近くが犠牲となった。今後,全町民が「われわれの子や孫たちが津波で命を落とすことなど二度とあってはならない」という強い意志のもと,津波から命を守るまちづくりを目指しており,「山田町復興計画」の基本理念である「津波から命を守るまちづくり」,「住民が主体となった地域づくり」とともに「産業の早期復旧と再生・発展」を掲げている。 内定先である株式会社エフビーは,マイクロコネクタの製造を行っており,専攻科に社員も派遣するなど人材育成にも強力に注力している企業である。 また,300名近い従業員はすべて正規雇用であり,地域の産学官連携組織である「宮古・下閉伊モノづくりネットワーク」の中核企業として「モノづくりができる人づくり寺子屋」を牽引している企業の1つである。 従業員やその家族にも犠牲者がおり,自宅を流失した従業員も多数出たが,建屋自体は津波の被害を免れたことと,社員の結束により停電復旧後操業を再開している。 本学生は,短大課程を4年前に卒業し,一度別の企業に就職したが,金型設計・開発業務に従事したいという理由からその会社を退社して専攻科に入学図22 制御盤図23 操作画面技能と技術 4/20134.2 事例2(山田町の企業に就職した進学生)

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る